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第6話

作者: 皆無
安雄は瑠花の世話を何日も続け、ついに瑠花の誕生日を迎えた。

瑠花は真白と仲直りしたいという口実を使い、安雄に真白も連れてくるよう頼んだ。

宴会では盛んに酒が酌み交わされた。真白にとってはこれまで見たこともないほど華やかな場だ。

安雄は彼女を隅のテーブルに連れて行き、好物を取ってきてから、小さなテーブルいっぱいに並べた後、そう言い聞かせた。

「真白、ここで少し待ってて。俺は挨拶に行ってくる。

後でのことは全部形式だけだから、気にしなくていい。あとで迎えに来て一緒に帰ろう」

最後の言葉に、真白は一瞬ぼんやりした。

かつて安雄が彼女を職場に送るとき、いつもこの言葉を口にしていたからだ。

そして彼は毎回、本当に迎えに来てくれた。

だが今、彼らにはもう帰る家などなく、彼も必ず約束を破る。

宴会が正式に始まっても、真白はずっと隅に立っていた。

瑠花は安雄の腕に手を掛けて登場した。

名目は社交だが、実際は瑠花が婚約者であることを周囲に認めさせるためだ。

二人が腕を組む姿を見て、真白の胸に皮肉がよぎった。

形式だけ?では婚姻届を出すのも、形式だけなのだろうか。

周囲の声が容赦なく耳に流れ込んでくる。

「土方さんと金井さん、本当にお似合いだね」

「そうだよ。金井家も名門だし、まさに釣り合いの取れたカップルだ」

「今日の宴会も全部、土方さんが準備したらしいよ。本当に心がこもってる」

真白はまつ毛を震わせ、視線を落としてから、もう二人を見なかった。

1時間後、若者たちは屋内から裏庭へ移動し、真白も連れて行かれた。

入るなり、瑠花は彼女の手を引き、一緒に遊ぼうとした。

真白は眉をひそめて振りほどこうとし、もみ合ううちに二人揃って背後のプールに落ちた。

水が一瞬で全身を包み込み、ぼんやりとした視界の中で、一つの人影が急いで泳いでくるのが見えた。

安雄はすぐに彼女を岸へ引き上げた。「真白、大丈夫か?」

真白は数回咳き込み、首を横に振った。

一方、瑠花は少し遅れて救い上げられ、上がって間もなく熱を出した。

宴会はやむなく早く切り上げられた。

全身びしょ濡れの真白は、ひとりぼっちでソファに座っている。

瑠花が発熱してから、安雄は彼女のそばに付きっきりで、一歩も離れなかった。

濡れた服が肌に張り付き、深夜になる頃には寒さで震えが止まらなかった。

何か羽織ろうとしたその時、安雄が怒りを露わにして階下へ降りてきて、いきなり問い詰めた。

「真白、薬をすり替えたのは君か?」

真白は意味が分からず、かすれた声で答えた。

「何のこと?」

安雄は彼女の前に立ち、瞳に刺すような冷たさを宿した。

「瑠花の熱が下がらないのは、薬がすり替えられたからだ。君じゃなければ誰だ?

前は君が騒いでも気にしなかった。でも今は瑠花の命がかかってるんだ。ふざけるのをやめろ!」

その言葉が耳鳴りを起こすほど重く、真白に降りかかった。

彼女は眉をひそめて彼を見つめ、目には深い悲しみが溢れていた。

「あなたにとって、私ってそんなに悪い人間なの?前のあなたは、こんな人じゃなかった」

かつて彼は、彼女こそが誰よりも優しく、世の中のすべての美しさを集めた存在だと言っていた。

それなのに今、彼は最も極端な悪意をもって彼女を推し量っている。

安雄は彼女の悲痛な眼差しに胸を刺され、思わず手を上げて慰めようとした。

だが、まだ高熱の瑠花を思い出すと、乱暴に手を下ろし、声をさらに冷たくした。

「今から彼女を病院に連れて行く。君は家で反省していろ。彼女が良くならなければ、誰もここを離れられない」

そう言い残すと、安雄は瑠花を抱えて、病院へ向かった。

その場に一人立ち尽くした真白は、二人の背中が遠ざかるのを見つめ、全身が骨の髄まで冷え切っていた。

結局、真白も病院へ連れて行かれた。

彼女は人に押さえつけられ、膝をつかされた。その向きは瑠花の手術室だ。
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