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第1058話

Author: 栄子
それを聞いて、音々は腕を伸ばし、輝の首にかけた。

そして二人は車内で熱いキスを交わした。ついに、音々が我に返り、輝を押し退けて言った。「そろそろ、婚姻届出しに行く?」

輝は低い声で笑った。その声は少し掠れていた。「当たり前だろ!今すぐ行こう!」

音々は言った。「先に私のマンションによろう。他にも必要な書類があるから」

輝はギアを入れ、アクセルを軽く踏んだ。「分かった」

......

音々が購入した高層マンションは、「スターベイ」という洒落た名前のマンションだった。

輝がここに来たのは一度だけ。まだ内装や家具の入れ替えが終わっていない頃だった。

今はすべてが真新しいものに入れ替えられていた。

音々は部屋に入ると、寝室へと直行した。

輝は彼女の後ろをついて行きながら、ゆっくりと部屋を見渡した。

家具はどれもシンプルで、白、黒、グレーを基調とし、茶色がアクセントになっていた。

全体的にモダンな雰囲気だった

音々が書類を持って寝室から出てくると、輝がリビングの大きな窓の前に立っているのを見かけた。

「書類を取ったから。もう行こう」

彼女の声を聞いて輝は振り返り、手招きした。「音々、ちょっと来て」

音々は彼の元へ歩み寄りながら言った。「もう11時よ。並ぶかもしれないから早く行かないと」

「別にそこまで急がなくてもいいだろ」輝は音々を腕の中に抱き寄せ、自分の胸を密着させた。そして、彼女の手を取って窓ガラスに当てた。

訳が分からず、音々は彼の方を振り返った。「何するの?」

「ここの景色、最高だな。28階だと、下から私たちが見えるかな?」

「マジックミラーだから、昼間は見えないよ。でも、夜に電気をつけたら、少しは見えるかもね」

「じゃあ、ここでエッチしたら、スリル満点だな」

それを聞いて、音々は絶句した。

そして、ついに彼女は我慢できず、輝の脇腹を肘で小突いた。

その衝撃に輝は痛みで顔を歪め、お腹を押さえながら数歩後ずさりし、悲しそうな顔で音々を見つめた。「おいおい、殺す気かよ!」

音々は呆れたように彼を睨みつけた。「いい加減にして。もう、頭の中はスケベなことばかりなんだから!早く役所に行きましょ。これ以上モタモタするなら、結婚するのやめるわよ!」

「分かった、分かった!」輝は音々の手を握りしめ、指を絡ませた。「今すぐ行こう!婚姻
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