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第1059話

作者: 栄子
それから、ガラスには無数の手形が残された。

次第に、夕日が空の半分を赤く染めていき、夕暮れが訪れた。

その夕焼けが彼女の顔を照らし、さらに赤みを増しているように見えた。

同時に輝の誰よりも娘が欲しいという強い願いが音々に届いたのだ。

なにも準備しなかった音々だったが、それでも彼女は輝の気持ちを受け入れた。

全てが終わると、二人はリビングの革張りのソファに横たわり、互いの温もりを感じていた。

いよいよ日が暮れて、夜空には無数の星が輝き始めた。

リビングのソファに寝転び、大きな窓から見上げると、丸い月が夜空に浮かんでいた。

「お腹空いたか?」輝は音々の手を弄びながら尋ねた。

「ええ」音々は少し掠れた声で答えた。

市役所から帰ってきてから、かなりの体力を消耗したのだから。

「まずはお風呂に入れてやろう。それから、どこかに食事でもしに行こうか?」

「外にはもう出たくないの」音々は輝の首に腕を回し、「出前を取って。少し眠りたいの」と言った。

それから、輝はバスルームのガラス戸を足でそっと開けると、音々を中まで運んだ。

彼は音々をシャワー室に入れて、シャワーヘッドをひね
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