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第1427話

Auteur: 栄子
でも、もしもなんてない。哲也は優希を愛する勇気を失ったから、彼女のことだけを忘れてしまったんだ。

もしあの日、もっと粘って、もっと勇気を出していたら......あんなに簡単に見切りをつけなければ、哲也が彼女を追いかけて事故に遭うこともなかったのに。

あの事故で、哲也は死にかけた。

そのことは今も、優希の胸を締めつけるのだ。

そして恐怖は5年も続いて、罪悪感に変わった。だからこの5年、哲也と会うのをずっと避け続けてきた。

でも、想定外のお見合い以来、止まっていた運命の歯車がまた動き出したみたいだった。

優希と哲也は何度も偶然会って、そのたびに色んなことで関わることになった。

彼女は逃げたり、もがいたりもしてみたが、でも結局、哲也との関係からは逃れられなかった。

だから、こうなった以上はもう、運命がくれたやり直しのチャンスだと思うことにした。

そして優希は今度こそ、勇気を出して、心からまっすぐに哲也を信じてみようと決めたのだ。

......

兄との話が終わり、ゲストルームに戻ると、ちょうど雲が酔い覚ましの薬をトレイに載せてきた。

「酔い覚ましの薬をお持ちしました」雲
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