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第261話

Author: 栄子
「悠人!」

悠人は車から降りた瞬間、遥に名前を呼ばれたのを聞いて、思わず小さく体をこわばらせ、この前遥に叱られた時のことが頭に浮かんだ。

「お父さん」

悠人は誠也の後ろに隠れ、両手で彼のスーツをぎゅっと掴んだ。「お父さん、抱っこ!」

誠也は悠人を抱き上げた。

遥は一瞬たじろいだ。

明らかに自分を避けている息子を見て、彼女は傷ついた。「悠人、お母さんだよ?どうしたの?」

悠人は誠也の首に抱きつき、顔を彼の肩にうずめ、遥を見ようともしなかった。

そんな息子の様子に、遥の心の中で怒りがさらに増していった。

「悠人......」遥は涙を流し、細い体は今にも倒れそうだった。

誠也は静かに言った。「この前、お前が発病した時、悠人を怖がらせてしまったから、お前に抵抗を感じるようになったんだよ」

遥は驚いた。

この前......

あの食事の時、悠人が綾を褒めたから、自分が感情を抑えきれずに悠人を叱った時のこと?

たった一度のことなのに......悠人は自分を恨むようになってしまったの?

遥は俯き、声を殺して泣いていたが、目には抑えきれない憎しみが浮かんでいた。

誠也は悠
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