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第779話

Author: 連衣の水調
「藤堂教授に会いに来たんじゃない!」

胤道は茉莉の腕をつかみ、その顔にはこれまでにないほどの焦りが浮かんでいた。

「あのピアノの先生は?どこにいるんだ!」

茉莉は一瞬きょとんとした。

「……ピアノの先生?」

胤道は彼女を押しのけるようにしてピアノ室へ向かった。

茉莉は我に返り、後を追って言った。

「胤道、あのピアノの先生なら、もう仕事終わって帰りまったよ」

「帰った?」

胤道の薄い唇が固く結ばれた。振り返って茉莉を見つめた。

「茉莉、一つ聞くけど、絶対に嘘はつかないでくれ。あのピアノの先生は目が見えないのか?」

その言葉に、茉莉はちょっと困ったように目をそらした。

「目が見えない人のこと?」

「そう、目が見えない人だ」

茉莉は作り笑いを二度浮かべた。

「まさか、目が見えない人がどうやってピアノ教えられるの?」

「じゃあ、普通に見えるってこと?」

「ええ……」

茉莉は頷き、そして我慢できずに言った。

「胤道、どうしてそんなに焦ってるの?誰か探してるの?あのピアノの先生が、あなたの知り合いとか?」

「そうだ」

胤道の目がさまよい、その場に不釣り合い
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