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第319話

Author: 花野めい
彼女は唇を強く噛みしめた。動揺していた心は、次第に悲しみへと変わっていく。

「結果は、悪いものとは限らない」由樹の口調は淡々としていた。

「もし、結果が悪くなかったら……私たちの結婚式は、このまま続けるの?」

千歳は反射的に尋ねた。

言い終えた瞬間、由樹の目に探るような色が浮かぶのが見えた。

「私はただ、前向きに考えたいだけ。またニュースになって、由樹さんに迷惑をかけたら困るから」

彼女は慌てて言い訳した。

由樹はまっすぐに立っていた。輪郭のはっきりした端正な顔立ちが、朝の光に包まれている。

その素っ気ない眼差しは、穏やかな朝の空気の中で、どこか冷ややかな雰囲気を放っていた。

彼は千歳の言葉に答えなかった。沈黙が、彼女の心を少しずつ底へと沈めていく。

彼女がさらに何か言おうとしたとき、哲朗が慌ただしく戻ってきた。

「社長、先生の準備が整いました。村上さん、どうぞ中へ」

千歳はごくりと生唾を飲み込み、反射的に振り返って由樹を一瞥した。

今日はこのフロア全体が、彼女の検査のために空けられていた。

廊下の先には、誰もいない。

龍太郎は来なかった。

――本当に、
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