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第334話

Author: 雲間探
玲奈は改めて辰也に電話をかけ、数日前に連絡をくれたのは何か用事があったのかと訊ねた。

辰也は答えた。「有美ちゃんがあなたとビデオ通話したがっててね。特に急ぎの用事ってわけじゃなかったんだ」

玲奈も辰也もこれから出勤だったため、長話はしなかった。

電話を切った玲奈は車の鍵を手に取り、会社へ向かって車を出した。

駐車場には、ほぼ同時に礼二も到着していた。

車から降りると、礼二は彼女を見て笑いかけた。「おかえり」

玲奈も笑顔で「うん」と返した。

ちょうどその時、智昭の車が入口から入ってきた。助手席には優里が乗っていた。

智昭の車は駐車場には進まず、玲奈と礼二の目の前に停まった。

すぐに二人は車を降り、礼二と玲奈を見つけると、智昭と優里は「湊さん、おはよう」と礼二に声をかけた。

「……」

彼の笑みがすっと消えた。

なんて朝っぱらから縁起でもない!

彼は心の中で毒づきながら、智昭と優里を完全に無視して玲奈の腕を軽く引き、そのまま歩き出した。

礼二が無視しても、智昭も優里もまったく気にしていない様子だった。

二人が通り過ぎる頃、智昭は車の鍵を優里に手渡し、運転席のドアを開けながら「気をつけて運転しろよ」と優しく声をかけた。

智昭の気遣いに目を細めつつ、玲奈の背中をちらりと見やりながら、優里は口元をゆるめて「ええ」と答えた。

玲奈と礼二がビルに入り、エレベーターを待っていると、礼二はふと入口の方を振り返り、智昭がついてきていないことに気づいた。

まだ優里といちゃついてんのかよ?

エレベーターに乗ると、礼二はふと思い出したように言った。「あいつら、朝から一緒に通勤とか、もう同棲してるのか?」

玲奈にはわからなかった。

でも、たとえ一緒に住んでいなくても、朝から同じ車に乗っているということは、智昭がわざわざ優里を迎えに行ったということだ。

智昭には専属の運転手がいるのに、優里と一緒のときはいつも自ら運転し、面倒くさがる様子もない。

相変わらず、あの二人の関係は順調らしい。

明後日は有美の誕生日だった。

その日の夜、仕事終わりに玲奈はショッピングモールへ立ち寄り、ピンク色のウサギのぬいぐるみを一つ購入した。

ぬいぐるみを抱えたままエレベーターで降りようとしたとき、ちょうど昇ってきた優里と大森祖母と鉢合わせた。

優里は玲奈が手にしてい
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Comments (3)
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jun
優里に、優里の家族、そして智知に、玲奈を追い出して、不倫関係だと、公になって欲しい
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千恵
優里の玲奈を見下す心 ほんと性悪女だな。 早くズタボロにしてー
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岸本史子
玲奈は娘の好みの変化を知ってるし、すでに娘に見切りをつけてるよ。愚かなのは人の旦那と娘を奪ったお前だよって誰か教えてあげて
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