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第5話

Auteur: ドジっ子
煙草に火をつけたばかりの伊織の手が震え、灰が足元に落ち、高級なスラックスに小さな穴を開けた。

彼はスマホの画面に映る離婚協議書の写真を、何度も拡大して確認した。

いつサインしたんだ?身に覚えがない。あり得ない。これはきっと美咲が腹いせに合成で作った画像だ。自分は一度だってサインなどしていない。

電話をかけようとしたその時、秘書がオフィスに入ってきた。

「大変です社長。奥様から書類が届きました。その……離婚協議書です」

伊織は信じられない思いでその書類を見つめた。病院で不動産契約書にサインさせられた記憶が、不意に蘇る。

あの時、美咲がサインさせたのは契約書なんかじゃなく、離婚協議書だったのか?

強烈な苦々しさが彼を包み込んだ。伊織はスマホを手に取り、美咲に弁明しようとしたが、不通だ。美咲にブロックされていた。

あの従順だった美咲が、まさか俺をブロックするとは?!

篠田家の両親が、玲奈とのショッピングから戻ってきた。伊織の暗い表情を見て、不穏な空気を感じ取る。

「どうしたんだい伊織くん?そんな顔をして」

秘書は脇で身を縮めて沈黙を守っている。伊織は眉をひそめ、離婚協議
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