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第201話

Author: 風羽
一月の終わり、京介のもとに一本の電話が入った。

発信元は立都市南苑通り618番地——この街で最も知られた、決して外には開かれない——重度精神疾患患者のための閉鎖施設だった(通称:第一精神病棟)。

音瀬は、一ヶ月に及ぶ取り調べを頑として耐え抜いた。

だが、一通の精神疾患診断書が、彼女をそのまま第一精神病棟へと送った。

主治医は沈原俊哉(しんばらとしや)、四十代の中年医師で、空気を読むことに長けた男だった。

音瀬の容態に変化があるたび、必ず最初に京介へと報告を入れていた。

その日も、スマートフォン越しの沈原の声は落ち着いていた。

「……たった今、白石さんが流産しました」

栄光グループ本社、社長室。

京介は、床から天井まで続くガラス窓の前に腰かけ、スマホを握ったまま無表情でいた。

口を開いたのは、数秒の静寂ののちだった。

「……三十分後に行く」

「心得ております。ご安心ください、周防様」

電話が切れた。

……

三十分後、黒塗りのロールスロイス・ファントムが南苑通り618番地へと静かに滑り込んだ。

開いたドアから伸びたのは長く真っ直ぐな脚。

姿を現したのは京介
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