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第308話

Auteur: 風羽
「第三に——このあと、私が栄光グループを引き継いでからの業績の伸びしろを公開します。株主の皆様に安心していただくためです。

私は葉山舞——必ず栄光グループを新たな時代へ導く自信があります」

……

女性記者が切り込む。

「では……年明け前に出された、あの【京介】という投稿は?」

舞は口元に柔らかな笑みを浮かべた。

「あれは、恋人同士のちょっとした日常の惚気と受け取ってください。

私は今も周防京介氏を好ましく思っています。今後、恋愛面で進展があることも否定しませんし、もし結婚という形になれば——あなたに必ず引き出物をお送りします」

記者は言葉を失った。

——強い。まるで掌で転がされたように、軽やかにかわされてしまう。

警備員に囲まれてエレベーターに乗り込む舞の背後を、佳楠がぴたりとついていく。

その様子を見送った輝の胸中は、張り裂けそうだった。

舞がこの決断をした理由が分からないわけではない。栄光を守るためだ。

だが——なんて非情な女だ。いや、京介も同じだ。

……やはり、あの二人は夫婦だ。決断の冷酷さまで、よく似ている。

午後六時、栄光グループは決算と株主名簿を発表した。

舞の決断は株主と個人投資家に大きな安心を与え、崩れかけた企業を救った。

本当は病院に駆けつけたかったが、舞は無理を押して重要株主会議を開き、解散したのは夜九時。

広い会議室は明るい照明に満たされているが、残っているのは舞と輝だけだった。

舞は椅子に身を預け、低く問った。

「……やっぱり、私が冷たいと思ってる?

今日を境に、京介はもう十年間、栄光の中枢には戻れない。高位職に就かせれば、ただの茶番になる」

輝はしばし黙り、煙草を一本取り出して軽く折った。

「……分かるよ」

舞は苦く笑った。

その時、佳楠がスマートフォンを握りしめ、涙ぐみながら駆け込んできた。

声は震え、今にも泣き出しそうだった。

「——手術が終わりました!玉置先生が、成功だって!社長、すぐ病院に!皆、すごく喜んでます!」

舞は一瞬、時を忘れたように固まった。

長い間、頭が真っ白になり——やがて、同じく呆然とした輝を見やり、唇を震わせる。

「……一本、貸して」

輝は慌てて煙草を差し出し、火までつけてやった。

舞は一口吸うとすぐに揉み消し、平然と告げた。

「会社には人が要る。あ
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Commentaires (1)
goodnovel comment avatar
良香
もう赦しているんだね。 舞さんが決めた道なら大丈夫。 京介には回復して欲しい。父として、伴侶として舞さんを支え、愛し抜いて欲しい。 やっと愛を知ったんだから。
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