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31.初めてをあなたに*⑦

Penulis: 鷹槻れん
last update Terakhir Diperbarui: 2025-10-19 03:28:04

 だとすれば、私の身体は奏芽かなめさんをこんなにも求めているのだし、それに――。

「あのっ、だ、いじょうぶ、なので……お願い――」

 その先の言葉だけは懇願するみたいに奏芽さんにギュッと抱きついて吐息混じりに吐き出した。

「やめないで……っ」

 ――心だって同じなの。

 私のその言葉に奏芽さんが一瞬ぴくっと身体を固くなさったのが分った。

 中に侵入させられたままの指先にその振動が伝わって、中がほんの少しこすられて、

「んっ、」

 小さく声が漏れてしまった。

 それでかな。

 奏芽さんが「凜子りんこ?」と気遣わしげに声をかけていらして、私は中に感じる彼の指を抜かれてしまうのが怖くなった。

「奏芽さん、私――」

 さっき夢の中で強く感じたことを、私、奏芽さんに伝えなきゃいけない――。

 私の声に、奏芽かなめさんが体勢はそのままに耳を澄ませてくれているのが分かる。

 私は身体の中に奏芽さんの指の気配を感じながら、半ば意図的に下腹部にキュゥッと力を入れた。

 まるで身の内に留まる奏芽さんを離したくないみたいに。

 実際そうなんだからそ少しばかり恥ずかしいけれど、思惑がバレてもいいって思ったの。

 そこに力を入れることで、奏芽さんがどう感じるのかは、経験値不足の私には分からない。

 でも、私自身は奏芽さんの指の質量をより強く感じてしまって、本音を言うと音を上げてしまいたいくらい居た堪れない。

 だけど……いま私に触れているのは奏芽さんなんだと意識すると、強い異物感に戸惑いながらも不思議と怖くはなかった。

「私、初めては……奏芽さんじゃないと……イヤです。だから……」

 奏芽さんの顔を見るのが恥ずかしくて、彼にしがみついたまま
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  • 私のおさげをほどかないで!   36.Epilogue⑥

    とはいえ、助産師の御神本さんや、産科医の杉本先生に言わせると割と教科書通りなお産だったらしくて、「よかったね、安産だったね」って言われてしまった。 あれで安産だとしたら難産はどんななんだろう!?とか思いつつ。 「赤ちゃん……」 時計を見ると午前8時を少し過ぎたところで。 この病院に奏芽さんと一緒に来たのが昨日の20時過ぎだったことを思うと、12数時間程度の所要時間だったのかな?とぼんやり思う。 「元気な男の子ですよ」 綺麗に拭われてはいるけれど、ところどころまだ血の付いた青紫色の赤ちゃんが、タオルに包まれた状態で御神本さんに抱かれてすぐそばまでやってくる。 その間も、足元の方では先生が私の産後の処置などをしてくださっていて……。私はぼんやりした頭で赤ちゃんの顔を見て、即座に「奏芽さん……?」ってつぶやいてしまった。 びっくりするぐらい奏芽さん似のハンサムな赤ちゃんに、思わず笑みが漏れたのは仕方がないよね? こんな可愛らしい赤ちゃんが私から産まれて来たの?って思ったらすごく不思議な気持ちがして奏芽さんにそう言ったら、 「いや、俺っていうよりむしろ凜子だろ」 奏芽さんはそう返していらしたけれど、私には奏芽さんにしか見えません! 「どっちに似てもハンサムさんになりますよ〜」 御神本さんにそう太鼓判を押されて、奏芽さんが「当然だな」ってニヤリとなさった。 お腹にいる時からこの子が男の子なことは分かっていたから、名前は奏芽さんと話し合って既に決めてある。 「初めまして――」 そう言って小さな手に触れたらやんわりと握り返してくれた。 奏芽さんも、彼の妹の音芽さんも、そうして姪っ子の和音ちゃんも、みんな音楽にちなんだお名前だとお聞きして……うちの子もそういうお名前がいいですって奏芽さんに話した。 「よろしくね、拓斗」 結果、2人でたくさんたくさん挙げた候補の中から、最終的に選んだのが指揮を響きに持つ、拓斗という名前。 どんな困難にも負けず、自分で道を切り拓いていって欲しい、広い心を持った大きな男の子に育って欲

  • 私のおさげをほどかないで!   36.Epilogue⑤

    高位破水は普通の破水みたいにバシャッと一気に羊水が流れ出ないから気付きにくいと言われていたけれど、私は幸い尿漏れなどもなく妊娠後期まできたから。 夕方あたりから動くたびに下着がほんの少し濡れることに不安を覚えて、お仕事を終えて帰宅なさった奏芽さんに頼ったの。 奏芽さん、お医者様だからかな。多くは言わなくてもピンときたみたいで、すぐに病院に連絡して連れてきてくださった。 お仕事を終えたばかりで疲れていらっしゃるだろうに、そんな素振りは微塵も見せない奏芽さんが本当に頼もしくて……。 赤ちゃんのところまでバイ菌とか入っていたらどうしよう?と不安になって思わず眉根を寄せたら、奏芽さんに「大丈夫だ」って頭を撫でられた。 「ご主人のおっしゃる通りですよ? 多分このまま入院、出産になっちゃうんで、今のうちにひょいひょいっとつまめる食べ物とか飲み物とかご主人に準備してもらっときましょう。お腹が空いたら出産は出来ませんからね」 そこでふと思い出したように 「私の一押しのスタミナ食は鰻なんですけど、さすがに陣痛中は食べるのは厳しいと思うんで……一口サイズに握ったシンプルな混ぜ込みご飯のおにぎりとかがいいと思います」 そこまで言って、ハッとした様に私のすぐ横に立つ奏芽さんに、「鳥飼さん、おにぎりにぎれます?」と詰め寄って、溜め息まじりに「うちの主人は全然ダメな人でお手伝いさんにご迷惑をお掛けしましたぁー」とこぼしてから、「あっ」とつぶやいて口を閉ざした。 その様子にキョトンとしたら、背後から若先生――ご主人が歩いていらしたから、らしい。 「鳥飼、こんな時間に奥方とここへ来てるって事は……いよいよかね?」 って奏芽さんに聞いてから、奏芽さんの返事を待たずに私に「心配しなくて大丈夫だからね。うちのスタッフはみんな優秀だから」ってニコッと笑いかけてくださる。 奏芽さんがそんな先輩医師に向かって「御神本先輩、今日の当直って」とやけにピリピリなさって、 「ん? あー、残念ながら私じゃないよ? 奥さんの主治医の杉本先生が診てくれるはずだからそう警戒するな」 御神本さんが心得てるみたいにそんな奏芽さんを見てクスッと笑うの。

  • 私のおさげをほどかないで!   36.Epilogue④

    けれど、そんな彼女を奏芽さんからガードするみたいにハンサムなご主人がピッタリとくっ付いて牽制していらしたのに気付いてホッとしたの。 お式の際、振る舞われた料理のあれこれをとても幸せそうに頬張る奥さんに、ご主人が瞳を細めて自分のお皿の中身も勧めていらしたのがとても印象的だった。 その様子を見るとはなしにぼんやり見ていたら、ガチガチに固まっていた緊張が少しだけほぐれるようでありがたかった。 その、ハムスターみたいな奥さんが、嫁ぎ先が産婦人科だからと、文学部から転向して助産師さんになられたのだというお話を聞いた時には、そののほほんとした雰囲気とのギャップある行動力に、私、ただただ驚かされたの。 私は結局、大学は方向転換などすることなく文学部を卒業して、そのままゆるゆるとバイトしていた時の延長みたく奏芽さんの病院をお手伝いさせていただいているだけだったから。 入籍後、少し変わったことがあるとすれば、立ち位置が1バイトから経営陣の身内に移行して、スタッフの皆さんや業者さんから「向井さん」ではなく「凜子さん」もしくは「若奥様」、「鳥飼さん」と呼ばれるようになったことくらい。 そのお仕事にしたって入籍後ほどなくして赤ちゃんがお腹にきてくれてからは、つわりや貧血が酷くてペースダウンしてしまったし。 お腹に赤ちゃんが宿ってくれた時、産むならそんな彼女のいる病院がいいと奏芽さんに話して、猛反対された。 もっとも奏芽さんの「ダメ」は、奥様に対してではなく、先輩である美形のご主人に対してだったのだけれど。 産科医とはいえ、男性に私を見せるのは嫌だとゴネていらして、ふたりで女医さんのいる産婦人科を探したら、何とくだんの病院がヒットした。 主治医さんを若先生やそのお父様や他の男性医師ではなく、ただひとりいらっしゃることが判明した女医さんにするという条件で、私は何とかここ――御神本レディースクリニックに来ることを許されたの。 若先生を担当から外してしまったら、奥さんとの接点は無くなってしまうかな?と心配したのだけれど、幸い彼女は旦那さん専属の助産師さんと言うわけではなくて、シフト次第で3人のどの先生とも組まれるのだと知ってホッとした。 な

  • 私のおさげをほどかないで!   36.Epilogue③

    初めてを奏芽さんに捧げて以来、入籍の件を気にしてソワソワしていたら、焦る必要はねぇんだよ、って何度も何度も奏芽さんになだめられた。それでも落ち着かなかった私に、 「だったら絶対俺から離れないって証に次の誕生日には婚約指輪を受け取って欲しい」 って言われて、21歳の誕生日。 春に出会った私たちだからと、ピンクダイヤとダイヤで作られた薄紅の桜の花が、枝に咲き誇るみたいに美しいデザインの婚約指輪を渡された。 奏芽さんが、私の左手薬指にそれをはめてくださいながら、「凜子、もう俺から逃げらんねぇな?」って照れ隠しみたいに笑ったのがすごく印象的だった。 プラチナの台座にキラキラと輝くダイヤモンドがはまった私の手をぎゅっと握りながら、「凜子のこれからの人生、俺にくれるか?」ってじっと見つめられたのを、私は一生忘れません。 *** そうして今――。 奏芽さんの左手と、私の左手には婚約指輪とは別の、隣り合う面と面が、支え合うようにデザインされたシンプルなプラチナリングがはまっているの。 お互いに支え合うことで成り立つようにデザインされた結婚指輪は、寄り添い助け合うふたりの心を表していて、双方ともに無くてはならない関係を表現しているのだと、ジュエリー職人の方に説明された。 奏芽さんにとっての私はまだまだそんな域には達していないかもしれないけれど、私にとっての奏芽さんは間違いなくかけがえのない存在だから。 いつか私も、奏芽さんにそんな風に思ってもらえる伴侶になれたら。 そう思って、結婚式の日から――入籍はまだだったけれど、その指輪とともに奏芽さんと歩んできた。 妊娠後手足が浮腫みやすくなってからは、外して例のペアネックレスのチェーンに通すようになったけれど、いつも肌身離さず持っています。 入籍から十数ヶ月を経て鳥飼さん、と呼ばれることに違和感を感じなくなったのはやっと最近のことだ。 *** 「鳥飼凜子さん、どうぞ」 そう名前を呼ばれて立ち上がった際、下腹部からの違和感に立ち止まった私に、私とお腹の我が子のことを心配して「無理はするな」って奏芽さんが言ってくださった。 そんな奏芽さんに、「は

  • 私のおさげをほどかないで!   36.Epilogue②

    結局挙式はうちのお母さんの希望に合わせる形で白無垢を着て、紋付袴の奏芽さんと、三三九度に玉串拝礼 などの、まごうことなき神前式になりました。 披露宴入場時は白無垢を赤系の色打掛に掛け替えてから和装のまま、その後のお色直しでやっと。奏芽さん希望の純白のウェディングドレスに着替えることが出来た。 奏芽さんは和装もキリリとしていて文句なしにカッコ良かったけれど、洋装もすごく素敵で。私、式の間中ドキドキさせられっぱなしだった。 ちなみに奏芽さん、日頃白衣で白ばかりだからと、タキシードはダークシルバーを選ばれたんだけど、それが背の高い奏芽さんによく似合っていて本当にカッコよくて……。 奏芽さんは緊張しまくりでカチンコチンになっていた私を「すげぇ綺麗だ」ってベタ褒めしてくださったけれど、私にはそんな風に言ってくださる奏芽さんがいつもに増して男前すぎてしんどかったです。 お式には四季ちゃんと彼氏さん、それから霧島さんご家族や、雨宮さんご夫妻もいらしてくださった。 知らない人たちがたくさんの中に、顔見知りを見つけられてホッとした私だったけれど。 そんな中でも、一番顔が見られて良かったと思えたのは、幼なじみののぶちゃんかも知れない。 「来て……くれたの?」 ひとつひとつの席を回った時に恐る恐る聞いたら、「当たり前だよ?」って優しく微笑まれた。 私がのぶちゃんと同じ立場だったらそんな風に優しく笑って、「当たり前」だって言えるかな? そう思ったら、胸がギュッと切なくなって……。 「ありがとう、のぶちゃん」 目元を潤ませて言ったら、「凜ちゃん、泣いたら駄目。お化粧落ちちゃうよ?」って叱ってくれた。 のぶちゃん、本当に有難う。 *** そんな感じで結婚式だけは早々に済ませた私たちだったけれど、入籍は私が大学を卒業した日――22歳の3月25日までしなかったの。 私自身は1日も早く奏芽さんと名実ともに家族になりたかったし、奏芽さんの年齢のことを考えるとそれなりに焦ってしまっていたのだけれど。 出会った頃は33歳だった奏芽さんも、入籍の時には36歳。

  • 私のおさげをほどかないで!   36.Epilogue①

    「鳥飼さーん、鳥飼凜子さん、どうぞ」 日中より若干照明が控えめになっているように感じられる白い空間。 夜間受付を済ませて長椅子に座っていたら名前を呼ばれて……。 奏芽さんが私の手を握る手に力を込めた。 「立てるか?」 「はい」 身体が思うように動かせなくなってきてからは、こんな風に奏芽さんに労られるように支えられることが時々あって……そのたびに奏芽さんの優しさが嬉しいのと同じくらい照れ臭かった。 でも今日は――今夜だけはそんなこと言っていられそうにない。 立ち上がって奏芽さんに身体を預けるようにしてすり足で恐る恐る少し歩いたら、下腹部から生温かいものがチョロリと溢れ出た気配がして、思わず立ち止まる。 「凜子?」 「あ。だっ、大丈夫です」 慌てて言ったら、 「無理はするな。凜子だけの問題じゃないんだからな?」 そう言われて、慈しむようにお腹に触れられて……それだけで私はじんわりと幸せな気持ちに満たされる。 初めて奏芽さんと結ばれた日、いつか奏芽さんの赤ちゃんをこのお腹に宿すことが出来たならどんなにか幸せだろう、と夢見たことを思い出す。 *** 私と奏芽さんは私が大学4年生の春に、周りから急かされる様に大きなホテルで挙式・披露宴だけ先に済ませた。 私は洋装でも和装でもどちらでもよかったのだけれど、うちの母が和装を見たいとゴネて、奏芽さんは洋装も捨てがたいとおっしゃった。 結果、贅沢にもどちらも着ることになった私は、一着追加するごとに一体どのぐらいの上乗せがあるんだろう?とそればかりが気になってしまった。 最終的には奏芽さんのご両親やうちの母から、「こんな時のために親はお金を貯めているのだから気にすることはない」と言い切られてめちゃくちゃ恐縮したのを思い出す。 質素で小ぢんまりとしたお式でいいのに、と半べそをかいた私に、奏芽さんが「一応俺、あの小児科の跡取りだかんな。親の方にも付き合いとか体面とかあんだよ。窮屈だろうけど付き合ってやってくんねぇか?」と諭されてハッとした。 結婚って……家同士のことでもあるんだ。 自分たちの気持ちだけでどうこうしてはいけない部分もあ

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