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第297話

Author: 心の底
朔也の提案を聞いて、莉亜の目が、ぱっと輝いた。

「さすがね、どうして私、思いつかなかったんだろう!」

確かに、物より証人の方がはるかに有利になるだろう。

問題は、どうやってそのスタッフを法廷に立たせるかとのことだ。

莉亜の考えを読んだかのように、朔也が再び口を開いた。

「どうだ?一緒に行くか?」

「ええ、明日の朝一番で行きましょ」

うまく莉亜を自分の計画に乗せられたことに、朔也は内心こっそりと笑った。

翌朝早く、二人はマンションを購入しようとする新婚夫婦を装った。

莉亜は初めてこの男の演技力がこれほどいいと知った。

スタッフの前で、朔也は平然と嘘をついている。

「俺たちは、高層で日当たりの良い物件を探しているんですが……」

隣で朔也が話しているのを聞きながら、莉亜はこっそり俯いた。

今日、一緒に来て正解だった。一人だったら、スタッフの前で絶対にボロを出していただろう。

そのスタッフも今日は契約が決まりそうだと見て取って、熱心に物件を案内し始めた。

やがて朔也が何気ないふうを装って切り出した。

「そういえば、昨日もここで物件を買ったご夫婦がいらしたとか?奥
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