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第234話

Author: カフェイン中毒男
「わかった」と、則枝が言った。

二人はロビーに座り、周りには傘を持たず雨が止むのを待つ人や、迎えを待つ人たちがたくさん座っていた。

一方、逸平たちはゆっくりと外へ歩き出していた。

ほどなくして、一行の姿は雨の中に完全に消えていった。

葉月はただ静かに視線を戻した。

約束した通り、これからは会わないのが一番で、偶然出会っても知らないふりをするのが最善だ。

則枝がスマホを取り出して時間をつぶそうとした時、見覚えのある姿が小走りに近づいてくるのが見えた。

則枝は急いで葉月を軽く突いた。「ねえ、逸平のアシスタントよ」

葉月が顔を上げると、行人が傘を手に持っているのが見えた。

行人は葉月の前に立ち止まって言った。「葉月さん、この傘は井上社長からお二人へのものです」

傘を差し出しながら続けて、「井上社長は、必要であれば二人を家まで送ると言っていました」と付け加えた。

葉月は数秒呆然としてから傘を受け取った。「ありがとう、傘は受け取ったが、自分で帰るよ」

それを見て、行人はそれ以上何も言わず、別れを告げて去っていった。

外では激しい雨が降っており、雨粒が傘に当たる音が大きく
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