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第6話

Auteur: 愛月花音
last update Date de publication: 2025-10-06 18:09:41

 それから半年後に加賀野春美のお見合いを計画させてきた。ムカついたが親がうるさいので、適当に相手してから理由をつけて断わろうとした。

 だが、星野美優に会えないイライラで羽目を外してしまい、うっかり酔った勢いで加賀野春美を抱いてしまった。

 しかし彼女の首筋にも星の痣が。それを見て、涼介は確信する。この女は自分に近づくために、わざわざ星の痣を彫ったのだろう。そして父親を利用として近づいてきた。

 なんて卑しい女だ。涼介にとって加賀野春美は、そういう印象だった。

 それでも身体の相性は良かった。というのも彼女は見た目だけは良かったからだ。

 スラッとして流れるような曲線美の腰つき。手足はモデルでも十分にやっていけるほど。

 それに大きくも小さくもなく、丁度いいサイズの胸は触り心地がいい。初めてだったらしいが、気づいたら腰を激しく打ち付けていた。

 容姿は星野美優と正反対でキリッとしたつり目。顔はまったくタイプではないが、芸能界に入っても十分にやっていけるほどの美貌を持っていた。

 認めたくはないが、会った時に目を奪われたのは確かだ。

 そして何処か懐かしくもあるいい匂い。抱くだけなら最高級品。

 そう考えたら手放すのも惜しくなってくる。本当だったら、さっさと縁を切りたいところだったが、チャンスをやることにする。

 婚約を続ける代わりに、星野美優の代役を与える。と言っても、あくまでも星野美優が戻ってくる間だけの期間限定。彼女が帰国したら、すぐに婚約破棄するだけだ。。

 それだけでも十分な報酬だろう。あの人気女優・星野美優の代わりになれるのだから。

 涼介は自分の容姿と権力に絶対的な自信があった。神崎芸能プロダクションの社長である自分が相手になってやるのだから、むしろ誇りだろうと。

 その証拠に加賀野春美は我が社に就職までして尽くしてきた。父親の名前を借りて、秘書までになった女だった。

 そこまでするほど神崎家の妻になりたくて必死なのだろうか?

(本当に……したたかで貪欲な女だな。純粋で心も綺麗な美優と大違いだ)

 呆れるほどで、そんな彼女を涼介は煙たがる。しかし手放せないのも本音。加賀野春美は、驚くほど優秀だった。

 与えた仕事を速く正確にやり遂げる。無理難題な案件も、頭脳明晰な彼女は解決に導いてしまった。男性秘書の田中も、思わず脱帽するほどに。

(まぁ……婚約破棄しても、愛人でもしてやるか。適当に抱くぐらいは許してやろう)

 それなのに、少し甘やかしたのがいけなかったのかもしれない。

 本当だったら、もっと酷い目に遭わせたいところだが、その身体を捨てるには惜しい。

「中絶手術までさせたが、それだけでは懲りなかったか。痛い目に遭わせないと分からないタイプのようだ。今回のこともある。このままにはしておけない。美優のためにも、今のうちに潰しておかないと」

 涼介は、何かを思いついたのか、企むのだった。

 それから、しばらくしてからだった。

 自宅謹慎中だったのに会議室に呼び出される。そして告げられたのは解雇処分。

 周りには上層部の人達が集まっていた。もちろん身に覚えのない春美は反論する。

「ちょっと待って下さい!? これは、どういうことですか? 何故、私が解雇に?」

「本当に身に覚えがないのか? 君のことを調べたら我が社のお金を横領したんだぞ。賄賂だって、貰っているそうではないか。総額3億の大金を着服したとは」

「さ、3億!?」

 上層部の発言に春美は、金額に開いた口が塞がらなかった。そんな大金を簡単に動かせるものではない。

 そもそも本当に身に覚えないことだ。

「わ、私そんなことはしていません」

「だったら、これはどういうことだ?」

 そう言って、プロジェクターで映し出された映像には多額の資金の不正な引き落としが。宝石からホテルなどに多額のお金が経費で落とさせていた。しかも、どれも差出人の名前には春美になっている。

 それ以外にもいくつかの不正が。

「こんなのデタラメよ! 誰かが私の名前を使っているのよ」

「誰がそんなことをすると思っているんだ!? 現に、この会社の振り込み先にはお前の名前が書かれている」

「それは、私の銀行口座ではありません」

 春美が持っている口座は義父の勤めている銀行だけだ。普通預金と定期預金のみ。しかし不正に振り込まれた銀行口座は他社の銀行。

 誰かが自分の名前を使い、銀行口座を作って、振り込ませたに違いない。

「絶対違う。こんなの誰かが嵌めたのよ」

「誰が嵌めるって言うんだ」

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