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第5話

Author: 愛月花音
last update Last Updated: 2025-10-05 18:46:11

 しかし別れたはずなのに涼介は春美との関係を終わらせる気はなかった。

 涼介は二股をかけるが星野美優との差は大きく違っている。

 星野美優にはお姫様のように扱う。彼女が要求することは全て叶えるし、デートも高級レストランやどんな場所でも連れて行ってあげる。

 遊園地で遊びたいと言った時にはロマンチックな夜に貸し切りまでした。

 逆に春美のさらに扱いは雑になる。星野美優の現場の付き添いで多忙になったため、その尻拭いを全て春美にさせた。

 星野美優とのデートの準備や予約をさせたあげく、送り迎えまで。

 その上で急に家に呼びつけたりする。社長室でも同じく。一人暮らししているタワーマンションに涼介に呼び出されると、そのままベッドに連れて行かれてドサッと押し倒された。

 覆い被さると首筋にキスをしてくる。

「や、やめて……」

 そう言い抵抗するが、やめようとしない。それなのに、例え行為の最中でも美優からの着信には、すぐにやめて出る。

「どうした?」

『涼介さ~ん。さっき時間があったから料理をしたの。そうしたら指を切っちゃって。血が出て……痛いの』

「分かった。すぐに行く。ちゃんとタオルで押さえておいて」

『あ、でも……これぐらいの事で来てもらうのも悪いわ。美優が我慢すればいいだけだし』

「何を言っているんだ!? 美優は人気女優なんだから、もし指の傷が深くて痕に残ったら大変だ。病院に連れて行くよ」

『ああ、そんな深い傷ではないから、病院はいいの。でも……凄く痛くて。涼介さんが、指をフーフーして絆創膏を貼ってくれたら治るかも』

「まったく、可愛いことを言うな。すぐに行ってやる」

 そう優しく言って、電話を切る涼介。そしてベッドに居る春美に声をかける。

「今から、美優のマンションに行かないといけない。さっさと終わらすから、君は着替えたら帰ってくれ。俺はタクシーで行く」

「えっ? 今から?」

「当たり前だ。美優は君と違って繊細なんだ。女優の指に怪我でも残ったら大変だ」

「で。でも……指の怪我なのよね?」

 どこに指の怪我ぐらいで人を呼びつける人がいるのだろうか? 病院どころか、自分で治療が出来る範囲だ。

 しかし涼介にとったら違った。どんな怪我でも星野美優やれば一大事みたいだ。

 乱暴に済ませると、さっさと服に着替える。そして、裸のままの春美を残して部屋から出て行ってしまった。

 春美はベッドの上で布団をギュッと握り締める。涙が出るぐらいに悲しかった。身体は、まだ火照っているのに。

 しかし、それは星野美優の策略だった。電話を切った星野美優は、無表情のままテーブルに置いてあった写真と報告者に目を向ける。

 涼介と加賀野春美と関係性が気になって、人を雇って彼女の事を調べさせた。すると、親同士が決めた婚約者同士で、自分の身代わりにさせていたことを知る。

 美優が帰国したことで終わったみたいだ。

 だが、未だに関係性は続いているらしい。2人がマンションの中に入って行ったと連絡がきた。だから電話をかけて呼び出したのだ。

 星野美優は爪を噛みながら、眉間にシワを寄せる。

「あの女……許せない。美優の計画の邪魔をするなんて。ただの身代わりのくせに」

 怒りを近くにあったワイングラスを掴むとガシャンと地面にたたき割った。

「見てなさい。あんたの座なんて、また奪ってやるのだから」

 しばらくして涼介が慌てて星野美優のマンションまで来た。割れたワイングラスを見て、驚いていた。星野美優は、すぐに涼介に抱きつく。

「え~ん、ごめんなさい。涼介さんが来ると分かって、飲んでいたグラスを片付けようとしたら、うっかり落としちゃったの」

「そうだったのか? 怪我はないか?」

「うん……でも、割って散らかしちゃった。本当……美優って何をしても失敗ばかり。もう~美優のバカ、バカ」

 そう言って、わざとらしく自分の頭をポカポカと叩く。そうしたら涼介は、慌てて腕を掴んで止めてくれた。

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