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第6話

Author: 十枝コハク
その頃、私の乗った新幹線も駅に着いていた。

スーツケースを引いて駅を出ると、父と母がすぐに駆け寄ってきた。父はさっと私のリュックとスーツケースを引き取った。母は小さなうちわであおぎながら、私の好きな冷たいフルーツティーを差し出してくれた。

「疲れたでしょう。早く帰って休もう」

帰り道、2人は何も聞かなかった。まるで私が、ちょっと旅行に出かけて戻ってきただけのように。

家に着いても食欲はなく、ご飯を食べる気になれなかった。母は無理に勧めず、静かに部屋のドアを閉めてくれた。

「お腹がすいたら言ってね。お母さん、温めてあげるから」

涙をこらえながら、私は柔らかなベッドに勢いよく倒れ込んだ。

怜介との5年間は、こうして終わったのだ。

しばらくしてようやく起き上がり、スーツケースの服をクローゼットにしまおうとした。扉を開けた途端、白いベールが落ちてきた。

一瞬戸惑ってから、思い出した。去年、怜介にプロポーズするため、ひそかに用意しておいたものだった。

5年前、告白してくれたのは彼だった。卒業してから、自分の暮らす街に来ないかと言ってくれたのも彼。住む部屋を見つけて、仕事まで見
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