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第7話

작가: 花宮みお
十年も一緒にいたのだ。彼が私をわかっていないはずがない。

裏切りを、私がどれほど許せないか。彼を、私がどれほど本気で愛してきたか。

そんなこと、辰也はちゃんと知っている。

――それでも、やったのだ。

男の目元がわずかに揺れた。そこに、ためらいとも痛みともつかない色が滲む。

声まで少しだけ弱くなる。

「詩音、俺は……」

もう我慢の限界だった。私はためらうことなく、彼の頬を打った。

ぱん――と、乾いた音がその場に響く。

それと同時に、美海の甲高い悲鳴が上がった。

「辰也っ、大丈夫?」

さっきまでほとんど口も挟めなかった女が、今度は必死の形相で彼の前に立ちふさがる。

私を見る目は、まるで獲物を威嚇する獣のようだった。

「何するんですか、山本さん!どうして辰也を叩くんですか!」

――どうして?そんなもの、決まっている。

家の反対を押し切ってでも、彼と結婚したかったから。彼が子どもを望んだ、そのひと言のために、出産への恐怖すら乗り越えようとしたから。

この十年、私は一度だって彼を裏切らなかった。自分の気持ちにも、彼への愛にも、ずっと誠実でいたから。

それでは足り
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