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第2話

Author: シゼン
道端で三十分も待ち、ようやくタクシーを拾って帰宅した。

その夜、後ろめたさを覚えたのか、広夢は珍しく戻ってきた。

彼が扉を押し開けたとき、私はちょうど荷物をまとめていた。

「またわがままを言って家出するつもりか!?」

彼の声は怒気を含んでいた。

手を止めることなく、私は淡々と返した。

「古い服を整理していただけ」

言い終えると同時に、さりげなく一歩退き、彼との距離を取った。

甘ったるい香水とボディソープの匂いが混じり合い、頭が痛むほど鼻をついた。

私の仕草に、彼の顔は一瞬こわばった。

ややあって、自分に言い聞かせるように口を開いた。

「このクローゼットは小さいな。結婚したら大きな家に移って、お前専用のドレスルームを作ってやるよ。どうだ?」

以前の私なら、その言葉を本気で受け止め、彼が自分を心にかけてくれていると信じただろう。

胸を弾ませ、彼と共に結婚後の幸福を夢見ていたに違いない。

だが今の私は、ただ嫌悪と虚しさしか感じなかった。

私の沈黙を見て、彼もそれ以上は追及せず、踵を返して寝室へ入っていった。

広夢は、私を宥めようとはしない男だった。

たとえ私が怒っていても、決して私をなだめようとはしなかった。

彼は知っていた。彼が少し優しくするだけで、私は喜び勇んで駆け寄り、謝罪し、卑屈に復縁を乞うことを。

彼が先に口を開いて溝を埋めようとしたのは、彼にしては大きな譲歩だった。

浴室からは水音が絶え間なく響き、外に置かれた彼のスマホは震え続けていた。

画面は消えておらず、幸与とのチャットが表示されたままだった。

彼女が送ってきた写真は数知れず、めまいがするほど。

【広夢くん、どの写真をホーム画面に設定した方がいいと思う?】

二人で写したツーショットは親密で、まるで新婚夫婦のようだった。

純白のウェディングドレスと端正なタキシード――背景はすべて、かつて私が一枚一枚選び抜いた場所。

冷めきっていた心が、悲しみに押し流され、胸を誰かに鷲掴みにされたように苦しくなる。

仕事が忙しくて出かける暇がない、だと?

ただ、私と出かけたくなかっただけ。

以前、私はわくわくしながら写真を差し出し、彼に選んでほしいとせがんだ。

だが彼は苛立たしげに手を振り、まぶたすら持ち上げずに言った。

「時間がない、邪魔するな」

あのときの不機嫌な顔は今も忘れられない。

なのに、写真の中の彼は眉をほころばせ、目を輝かせていた。

あの冷淡な男と同じ人物だとは思えぬほどに。

突然、浴室のドアが開き、彼が怒声を上げて飛び出してきた。

「勝手に見るな!」

スマホは瞬時に奪い取られ、私が反応する間もなかった。

次の瞬間、彼はチャット画面が操作された痕跡を見つけ、私を床に突き飛ばした。

「俺の携帯に触るな!頭がおかしいんじゃないのか!」

机の角に脚を打ちつけ、裂けた皮膚から鮮血が滲み出した。

だが彼はそれを見ても気づかぬふりで、私を罵倒しながら幸与への返信に没頭していた。

まるで私こそが、二人の関係を壊す邪魔者であるかのように。

正直に言えば、彼が出てこなくても、もう見る気はなかった。

チャットの内容など、黒いストッキングの写真や「ダーリン」「ベイビー」といった甘い言葉、曖昧なやり取りばかり。

見るべきものはとっくに見尽くした。悲しむべき日々も過ぎ去った。

かつて私は、二人の間に交わされるわずかな会話に胸をかき乱され、眠れぬ夜を幾度も過ごした。

彼からの返信を待ち続け、一日、二日、三日、五日……

ようやく彼の気が向いたときに届くのは、【うん】【いい】【ああ】という短い言葉だけ。

それ以上はなかった。

私は足のすねに付いた血をさっと拭い、びっこを引きながら立ち上がった。

「もう二度としない」

その一言を口にした途端、先ほどまで喚き散らしていた広夢は、ぴたりと黙り込んだ。

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