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第332話

Penulis: 藤原 白乃介
指先の煙草はすでに燃え尽きていた。

火のついた灰が彼の手の甲に落ちても、まったく感覚はなかった。

佳奈が雅浩との話を終えて出てきたとき、ふと目に入ったのは、寂しげに佇む智哉の後ろ姿だった。

彼女はそっと歩み寄り、静かな声で問いかけた。

「智哉、何かあったの?」

その声を聞いた瞬間、智哉の胸がギュッと痛んだ。

すぐに手元の煙草をもみ消し、落ち着いたふりをして、無理に笑顔を浮かべた。

「なんでもないよ。ただちょっと吸いたくなっただけ。ごめん、これからは気をつける」

そう言って、彼は佳奈をやさしく腕の中に引き寄せ、頭にそっとキスを落とした。

声には疲れがにじんでいた。

「これから少しお婆様のところに寄ってくる。君はゆっくり休んでて。すぐ戻るから」

佳奈にはわかっていた。

お婆様はただの口実で、本当は玲子に会いに行くのだと。

父の病気に玲子が関わっていると、きっともう智哉は気づいている。

佳奈は切なげに彼を見つめた。

ひんやりした指先で、智哉の固く寄せられた眉間をそっと撫でる。

「智哉、彼女は彼女、あなたはあなた。私は、彼女の罪をあなたに背負わせるつもりはない。
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