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第107話

Author: 青葉凛
息を切らし、申し訳なさそうに謝罪する蘭の様子に、紫音は思わず笑みをこぼした。

「そんなに急がなくて大丈夫よ。まだ仕事の話は始めていないし、こうしておやつを食べていたところだもの。蘭も、まずは水を飲んで落ち着いて。これも食べてみて」

そう言って、紫音は菓子を一つ取って彼女に差し出した。

しかし、取引先の社長の前で暢気に菓子をつまむわけにもいかず、蘭は慌てて首を振った。

「いいえ、お構いなく!来る前に済ませてきましたから。それより、私にできることがあれば何でも指示してください」

「蘭、そんなに肩肘張らなくていいのよ。彼は私の古い友人なんだから、そんなに畏まらなくても」

必死に自分を律しようとする蘭の姿に、紫音は苦笑するしかなかった。

「……はい、失礼いたしました」

紫音がそう言えば言うほど、蘭はかえって不自然なほど身を硬くした。

自分でも理由は分からないが、どういうわけか、この男の前では妙に居心地が悪く、極度に緊張してしまうのだ。

「森下さん、そんなに他人行儀にしないで。紫音とは長い付き合いだし、これから一緒に仕事をする機会も多いんだから」

浩一も、彼女のあまりの硬さ
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