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第三十一話:だから、私は壁です!

Author: 古紫汐桜
last update publish date: 2026-02-24 19:00:00

その時、野宮部長が言った。

「じゃあ、頬にキスで許す」

「はぁ?」

私より先に、鳩村課長が叫んだ。

(なんで鳩村課長が怒るの?)

首を傾げていると、

「じゃあ、俺にもキスさせろ! 二回目だから二回な!」

と、さらに意味不明なことを言い出した。

「させるわけないだろう!」

「麗、お前が口出すな! これは俺とこずえの問題だ!」

「だったら、こずえちゃんのファーストキスを奪ったのは、僕とこずえちゃんだけの問題だ!」

……私の頭上で、狼二匹が『ガルル』と威嚇している気配がします。

でも待って。

私、乙女ゲームのヒロインでも、少女漫画のヒロインでもないんですよ?

ただの腐った壁なんです。

なんなんでしょう、この“ヒロイン扱い”。

……解釈違いです。

「貴生さん、麗さん?」

ご立腹です。

言い争う二人を睨
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