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Author: 槇瀬光琉
last update Last Updated: 2025-08-11 18:20:07

だって金狼さんが俺の胸を舐めはじめたから

「ぁぁ、はっ、ぁぁ、ん、ぁぁ」

ほんと金狼さんて手馴れてる。

「ぁぁ、ん、ぁぁ」

だって俺いつの間にか服着てないんだもん。学校の姿じゃ想像できないよね。あのキチッと姿したで堅物で有名な生徒会長さんが街で有名で噂になってる人物だとはね。

「よそごと考えられるほど余裕なんだ」

俺の顔を見て金狼さんがニヤリと笑う

「んっ、ぁぁ、っ、ぁぁ」

キュウッと胸の突起を抓まれる。

「ん、ぁぁ、っ、ぁぁ」

余裕なんてないよ。あなたが巧すぎるからなんて思ってても口にはできない。だって俺の口から出るのは

「ぁ、ぁぁ、ん、ぁぁ」

自分でも驚くほどの甘ったるい喘ぎ声。その声に金狼さんが眼を細める。その仕草さえかっこいい。

「ぁあぁ、あぁぁ」

金狼さんの手が身体を撫でていく。

「ん、ぁぁ、ぁぁ」

それだけで感じてしまうほど俺の身体は熱を持っていた。

クチュ

湿った音がする。わかってるよ。自分の先走りの液体のせいだって。だって金狼さんが触れてるからだ。

「ぁ、あぁ、ん、んぁ」

胸と一緒に触れられたらヤバいって。

「あぁ、ぁぁ、んぁ」

止まらない。次から次へと先走りが溢れてくる。その液体が金狼さんの手を濡らしていく。

「ん、ぁぁ、ぁぁ、ん、ひゃぁ」

ヤバイっていきなり咥えられたらすぐにいくって俺…

「あぁ、ぁぁ、ん、ぁぁ」

マジでヤバイ。

「あぁ、ぁぁぁん、ぁぁ、もぉ、ぁぁ、ぃくぅ、ぁぁ、はな、ぃて、ぁぁ」

気持ちよすぎるよ。

「いけよ」

なんてさっきよりもきつく吸い付くから

「ぁぁ、あぁぁぁ」

俺はあっけなく金狼さんの口の中に吐き出した。しかも金狼さんはそれを飲み込んじゃった。

「飲んじゃったの?」

つい間抜けな質問をしてしまった。

「そうだけど」

なんてあっさり言われて金狼さんの指が中に入ってくる。先走りの液で濡れた指はすんなりと受け入れられていく。まぁ酷く扱われても慣れてるから平気だけどね。

「ん、ぁっ」

指は1本から2本へと増やされていく。

「あぁ、ぁぁぁ、ん」

しかも簡単に俺の感じる場所を見つけたわけで…。

「ん、あぁぁ、あぁ」

気持ちがいい。

「腰が動いてる」

なんて言われる。すごく楽しそうに。しかたないじゃん気持ちいいんだから

「っ、ぁぁ、ぁぁ、ん」

この人ほんと巧すぎ。しかも胸まで弄りだすから堪らない。

「あっ、ぁぁ、ぁぁ、ん、ぁぁ」

自然と腰が動いて先走りの液が次々と溢れてくる。そこは金狼さんの指が動くたびに音がするぐらい湿ってきてるわけで…

金狼さんは一旦指を引き抜くと自分の着てる服を脱ぎ捨て俺の身体の位置を直し腰を掴む自分のものを宛がうとゆっくりと中に入ってきた。

「ん、ぁぁ、ぁっ」

俺は金狼さんの首に腕を回した。

今だけでいい…

今だけでいいから俺を愛して…

偽りの愛でいいから…

金狼さんはゆっくりと動き始める。

「あぁ、ぁぁ、ん」

金狼さんは何度もキスをくれた。まるで淋しがってる俺の心を見透かすように…

「あぁ、ぁぁぁ、ん」

俺は抱き着く腕に力をこめた。

もっと…もっとあなたを感じさせて…

今だけでいいから…お願い…あなたの温もりをちょうだい…

「あぁ、ぁぁぁ、ん」

金狼さんが動くたびにいいとこをろ突きあげられる。そのたびに声が毀れる。

「あぁぁ、ぁぁぁ、ん、ぁぁ」

金狼さんに突き上げられながら自分で腰を振って快楽を求める。

今だけでいいからそのキレイな瞳に俺を映していて…

「ぁ、あぁ、もぉ、あぁぁ」

もう限界。すぐにでも行きそう。だって金狼さんが巧すぎるから…。

「いいからいけよ」

耳元で囁かれる。その声がゾクリと腰にくる。金狼さんは俺の腰を掴むと動きを速め俺を攻めたててくる。

「あぁ、ぁぁぁ、ん、あぁぁ、もぉ、ぁぁ、だめぇ、あぁぁ」

金狼さんに抱きつく腕に力が入る。

「俺もだ、いけよ」

そう告げる金狼さんの顔は妖艶で魅了されそう。

「あぁぁ、いくぅ、ぁぁぁ」

「っ、くっ」

俺は金狼さんのものをきつく締め付けいった。金狼さんも俺の中に吐き出した。

俺たちはしばらく余韻を楽しむようにキスを繰り返してた。

「先にシャワー浴びてもいい?」

俺は金狼さんに聞いてみる。

「あぁ」

金狼さんはそれを許してくれた。

俺はベッドから降りるとバスルームに入った。中に入るとシャワーのコックを捻り頭からお湯をかぶる。そうすれば涙が隠れるから…。

いつもそうだ。誰かに抱かれた後は涙が零れ落ちる。

偽りの愛が胸を締め付ける。

本当の愛を知らないから…。

「…っ…ひっく…」

今だけ…今だけは泣かせて…

出たら元の俺に戻るから…

今だけは…

「ありがとう」

バスルームから戻った俺は何事もなかったように振る舞い金狼さんに告げる。

「眼が赤い。泣いたのか?」

俺の頬に触れ訊いてくるから心臓が飛び跳ねた。

「シャンプーが眼に入ってさ。痛いのなんのって。ねぇ先に出てもいい?」

これ以上は一緒にはいられない。

「そうしたいのならそうすればいい」

彼は何も問わずにいってくれる。優しいよね。

「じゃぁ、バイバイ」

俺はそう告げ金狼さんから離れようとしたら腕を掴まれた。

「なに?」

俺は意味が判らず聞いてみる。

「バイバイじゃなくて、またな」

金狼さんはそう言って笑った。カッコいい顔で…俺は返事ができずに頷いた。言葉に出せば涙が出そうだったから…

「またな、蒼華」

金狼さんは同じ言葉を口にする。

「う…うん。またね」

俺はやっとそれだけ口にして部屋を出た。

足早にその場所を離れ家に戻った。

走って家に帰ると鍵を閉め階段を駆け上がり自分の部屋に飛び込んだ。

そのままの勢いでベッドに倒れこむ。ずっと我慢してきた涙が堰を切って溢れ出す。流れ出た涙を止める術を知らない。

「…っ…ひっく…っ…」

知り合わなきゃよかったんだ

キスなんてしなきゃよかったんだ

抱き合わなきゃよかったんだ

いつも後悔ばかり

またねなんてないんだ

だからバイバイでよかったんだ

だって…俺とあなたの住む世界は違いすぎるから

俺は…あなたの知ってる俺は…

本当の俺じゃないんだから

だから…だから…

バイバイなんだよ…

バイバイでよかったんだよ…

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