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第12話(35)

Author: 北川とも
last update publish date: 2026-01-14 11:00:23

 淡々とした口調で三田村が応じると、いきなり鷹津がこちらを見て、和彦の手首を掴んできた。

「違うな。俺は、こいつの番犬だ。あんな蛇みたいな男は関係ない」

「……そのあたりの事情は、俺には関係ない」

 ほお、と声を洩らした鷹津が、掴んだ和彦の手を引き寄せ、指に唇を押し当てた。驚いた和彦は、咄嗟に手を抜き取る。

「何するんだっ」

「そんなに顔色を変えなくてもいいだろ。いまさら、これぐらいのことで」

 これは、自分ではなく、三田村に対する鷹津の嫌がらせだと理解したとき、思いがけず和彦の口から冷ややかな声で出ていた。

「誰が、ぼくに勝手に触っていいと言った」

 鷹津がスッと目を細め、剣呑とした空気を和彦にまで向けてくる。しかし和彦は怯まなかった。

 鷹津を番犬として躾けるために必要なのは、鞭だ。力では敵わないからこそ、言葉という鞭を効果的にふるう必要がある。

「ぼくに触れたいなら、しっかり働け。――ぼくはあんたが嫌いなんだ。だから、安売りはしない」

 できる限り傲慢に言い放ったつ
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    last updateLast Updated : 2026-03-26
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  • 血と束縛と   第10話(36)

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    last updateLast Updated : 2026-03-26
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