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第22話(12)

Penulis: 北川とも
last update Tanggal publikasi: 2026-03-27 17:00:46

 肩にかかった守光の手に、力が加わる。抱き寄せられた和彦は、抗うこともできず守光におずおずともたれかかった。

 守光のもう片方の手があごにかかり、持ち上げられる。初めてこんなに近くから、守光の顔を見ることになる。

 端整な容貌の老紳士が、総和会という巨大な組織の頂点に君臨するには、相応の理由がある。見た目がいかに穏やかであろうが、守光の内面がそうであるとは限らない。

 守光は、じわじわと本性を露わにしていき、和彦を呑み込んでいく。

「あんたは、自分が逆らえない力に敏感だ。そして、その力に対して巧く身を委ねられる。わしに対してもそうであると、考えていいかね?」

 目隠しの布一枚分の理屈が、剥ぎ取られる瞬間だった。もう必要ないと守光は確信しているのだ。そして和彦は――。

 守光の目を見つめたまま、ゆっくりと唇を塞がれた。

 昨夜知ったばかりの唇の感触に、他の男たちには感じない緊張を強いられる。口づけの感覚を分かち合うというより、自分の身を差し出す感覚に近い。一方的に貪られるのだ。

 唇を吸われてから、歯列
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    ** 寝起きの気分は最悪だった。 和彦は布団の中で、体の節々が痛んでいることを確かめると、慎重に体を起こす。部屋の暖房が効きすぎており、額や首筋がじっとりと汗ばんでいた。 頭はぼうっとしており、すぐには思考が働かない。そもそも昨夜、自分はどうやって部屋のベッドに入ったのかすら、記憶は曖昧だ。 和彦は、カーテンの隙間から差し込む弱々しい陽射しを漫然と眺める。そうしているうちにやっと、自分の身に起こった出来事が蘇ってきた。 慌ててベッドから出ると、はっきりと筋肉痛を自覚する。もちろん、それだけではなく――。 和彦は唇を噛むと、落ち着きなく室内を歩き回る。そうしているうちに、ようやく思考が正常さを取り戻す。大きく息を吐き出したあと、ひとまずカーテンを開けた。 厚い雲の合間から、陽が差している。どこか神秘的ですらある光の帯がうっすらと伸びていたが、雲が流れたことによってあっという間に消えてしまう。そこで和彦も我に返った。 時計を見れば、午前九時を少し過ぎている。いつもより遅めの起床となったが、あまり眠った気はしない。 また横になりたい誘惑に駆られた和彦だが、ゆっくりしている場合ではないとすぐに思い直す。とにかくここを出たかった。こんなところに閉じ込められたままでは何もできないことは、昨夜痛感した。 ため息をついて再び窓の外を見ようとしたとき、突然、ドアをノックされる。和彦はビクリと体を震わせ、声も出せずにその場に立ち尽くす。 再びのノックはなく、いきなりドアが開いた。「――起きてたか、先生」 のっそりと部屋に入ってきた南郷が、和彦の姿を認めるなりニッと笑いかけてくる。その表情に馴れ馴れしさを感じたのは、ある種の被害妄想かもしれない。和彦は直視できず、反射的に顔を背ける。「下りてきて、朝メシを食ってくれ」 昨夜のことなど一切匂わせない南郷の言葉に、一瞬激高しかける。しかし、怯えが上回ってしまう。「食欲はないです……」「まあそう言わず、一口、二口でいいから、口をつけてくれ」「いりませんっ。放っておいてくださいっ―

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