気づいたら後輩に飼われてた

気づいたら後輩に飼われてた

last updateLast Updated : 2026-03-02
By:  海野雫Updated just now
Language: Japanese
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残業続きで終電を逃した夜, 平凡な営業マンの夏目直はなぜか後輩の神谷理人に世話を焼かれるようになる。弁当、体調管理、送り迎え――気づけば生活のあちこちに入り込まれていた。距離が近すぎる後輩に戸惑いながらも、その居心地のよさに慣れていく直。だが、神谷の態度は“親切”の域を少しずつ越えていき……。

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Chapter 1

第一話 徹夜明け

 オフィスは静寂に包まれていた。

 カタカタカタカタ。

 聞こえてくるのは、自分がキーボードを叩く音だけ。

 直はモニターから目を離し、伸びをした。首を回すと、鈍い音がした。肩も背中もバキバキだった。目頭を親指で押すと、じんわりと痛い。

 それまで画面に集中していたせいで気づかなかったが、手を止めた途端、妙に肌寒かった。

「……なんか寒くね?」

 手のひらで二の腕をさする。空調が止まっている。

 周りを見渡した。直の席の上以外、照明はすべて落ちていた。フロアは真っ暗で、窓の外のビルの灯りだけが、かろうじてデスクの輪郭を浮かべている。他の部署のフロアも、とっくに無人だろう。

 壁の時計に目をやって、血の気が引いた。

「やべっ……終電、終わってる」

 がくりと項垂れた。

 アーク・ブリッジ株式会社は二十時退社を推奨している。実際、ほとんどの社員はその時間には帰る。優秀なやつなら十八時台に颯爽と退社していく。

 それなのに自分は終電どころか、終電すら逃した。

 大きなため息が、がらんとしたオフィスに響いた。誰にも聞かれないため息ほど、惨めなものはない。

 カプセルホテルか。ネットカフェか。――いや、もういっそ会社に泊まるか。どうせたまった仕事は減らない。

 開き直って、モニターに向き直った。

 キーボードを叩く指が、さっきより重く感じる。

 なんで俺だけこんなに必死なんだろう。案件の数は、たぶんみんなと同じぐらいのはずだ。なのに俺だけが毎晩、このフロアに取り残される。

 クライアントからの相談を断れない。ひとつひとつ丁寧にやろうとする。そのせいでメールの返信は後回しになり、夕方には提案書が手つかずで残る。そこから夜が始まる。

 わかってる。段取りが悪いんだ。

 わかってるけど、直せない。

 モニターの文字が滲んできた。瞼が重く、頭もぼんやりする。

 携帯を見た。未読のメールが十二件。会社のメールボックスにも未読のメールが十件以上たまっていた。

 クライアントの山田さんからの追加依頼、佐藤さんからの仕様変更の相談、営業資料のレビュー依頼。どれも「明日でいいですよ」と言ってくれているのに、どれも気になって手放せない。

 今やってしまわないと、明日に持ち越しになる。そうすれば、また仕事がたまる。

 わかっているのに、急に眠気が襲ってきた。瞼が重い。

 ――もう限界だ。十分だけ。十分だけ寝よう。

 机にうつ伏せになった。腕を枕にして目を閉じる。デスクの硬さが額に当たる。こんな姿勢で寝たら首をやるな、と思った瞬間、意識はあっけなく闇に沈んでいった。

 コーヒーの匂いがした。

 誰かが近くにいる気配がする。あたたかくて、どこか懐かしい。

 ああ、そうだ。こんな朝が、あったな。

 朝ごはんを作ってくれる誰かがいたころ。たった二か月で終わったけど、前もその前も長くて三か月だった。

 告白されて、断れなくて、付き合って。「私のこと好きじゃないでしょ」と言われて、終わる。毎回そうだった。

 俺って、本気で誰かを好きになったこと、あったっけ。

 ――二十七にもなって、初恋もまだとか、笑えないな。

 まあいいか。どうせ今は、ひとりだ。

 肩を揺さぶられている。やめろって、まだ寝かせてくれ――。

「先輩」

 低い声が、鼓膜を揺らした。

 男の声だ。

 ゆっくり瞼を持ち上げると、すぐ目の前に、整った顔があった。

「うおっ……!」

 驚きのあまり、椅子ごと後ろにのけぞった。心臓がうるさい。

「なっ……なんだお前!」

「なんだお前、じゃないですよ」

 神谷理人。二年後輩の、同じ営業二課。切れ長の目が、静かにこちらを見ている。鼻筋の通った端正な顔は、寝起きの頭にはいささか刺激が強い。

「先輩、会社に泊まったんですか」

 責めるような口調ではなかった。ただ、静かに確認している。それがかえって居心地悪い。

「……気づいたら終電終わってたんだよ」

「泊まり込みは禁止ですよ」

「知ってるけど……帰る手段なかったんだよ」

「タクシーという手段はあったはずですけど」

「……金ねえんだよ」

 理人の目が、ほんの少し細くなった。呆れなのか、心配なのか、その無表情からは読みきれない。

「はい、これ」

 差し出されたのは、紙カップのコーヒーだった。湯気が立ち昇って、ふわりと香りが広がる。

「あと、朝食です」

 コーヒーの横に、ベーカリーの紙袋が置かれた。紙袋の口から覗くと、中にはサンドイッチが入っていた。

「……え。いいのか?」

「どうせ朝食、食べてないでしょう。毎日」

「うっ……」

 図星だった。毎朝コアタイムぎりぎりまで寝て、朝食は抜き。昼もまともに取れないことが多い。

「……悪いな」

「いいですよ」

 理人がふっと目元を緩めた。無表情が多いぶん、その一瞬の変化がやけに目に残る。長い睫毛が窓からの光を受けて、薄い影を頬に落としていた。

 その美しさに思わず見惚れてしまった。

 やばい。男相手になに見てんだ。寝ぼけてるにもほどがある。

 直は両手で頬を叩いて、目を覚ました。

「俺も一緒に食べていいですか」

「……え? ああ、いいけど」

 理人は直の隣の席から椅子を引っ張ってきて、当たり前のように座った。距離が近い。肘がぶつかりそうなぐらい近い。

「ここで食うの?」

「一緒に食べたほうがいいでしょう」

 理人は自分のサンドイッチの包みを開けた。直も諦めて紙袋に手を伸ばした。

 雑穀入りのハードパンに、シャキッとしたレタスとにんじん、サラダチキンに卵。酢玉ねぎのアクセントが効いている。シンプルな構成なのに、口に入れた瞬間、目が覚めた。

「……うまっ。なにこれ」

「気に入りましたか」

「うまいなこれ。どこの?」

「家の近くのベーカリーです。ハードパンがいいんですよ」

「へえ。俺パン好きなんだよな。今度買いに行こうかな」

「案内しますよ。ただ、閉店早いんで」

「……どのぐらい?」

「十八時です」

 十八時。直がまだオフィスでメールと格闘している時間だった。

「……努力する」

「してください。じゃないと、案内できませんから」

 淡々と返されて、言葉に詰まった。でも、嫌な感じはしなかった。

 ひとりで食べるコンビニのおにぎりとは、なにかが違う。パンのうまさだけじゃない。隣に誰かがいて、同じものを食べている。ただそれだけのことが、朝の空気を変えている。

 ――あれ。誰かと一緒に朝ごはん食べるの、いつ振りだろう。

 思い出そうとして、思い出せなかった。

 そのとき、オフィスの扉が開いた。

 びっくりして振り返ると、警備員が立っていた。

「わっ……こんな時間にいらっしゃるとは」

「すみません、昨日終電逃して、そのまま……」

「ああ、そうでしたか。いやあ、ここの会社さんは大体八時頃の出社でしょう? この時間にフロアに人がいたことがないもので、驚きました」

 ――この時間に、人がいたことがない。つまり、七時半にオフィスにいること自体が異常なのだ。泊まり込んだ自分はもちろん。

 ちらりと隣を見た。理人は何食わぬ顔でコーヒーを飲んでいる。この男は自主的に七時半に出社しているのだ。同じ会社の、同じ部署で。

「あの、昨夜空調が止まってたんですけど……」

「ああ、二十四時で自動停止です。そんな時間まで残られる方、普通はいらっしゃらないので」

 普通はいない。

 わかっていたことだ。でも、他人の口から聞くのは堪えた。

「特に変わったことがなければ、これで」

「はい……ありがとうございます」

 警備員が去った。扉が閉まる音が、やけに大きく聞こえた。

「……やっぱ俺だけなんだな」

 つぶくと、理人がコーヒーのカップを置いた。

「この会社、遅くまで残る人ほとんどいませんよ」

「いや……営業はこんなもんだろ」

「違います」

 短く否定された。

「先輩が抱えすぎです」

 返す言葉がなかった。理人の声に苛立ちはない。ただの事実を述べている、という温度だった。それが余計にきつい。

 朝日がオフィスの窓から差し込んでいた。整然と並んだ無人のデスクが、白い光に照らされている。ここに毎晩ひとりで残っているのは、自分だけだ。改めてそう思い知らされた。

「はよーっす」

 オフィスの扉が開いて、聞き慣れた声が響いた。

 水城遼。直より二つ上の先輩で、同じ営業二課。ドライだが面倒見は悪くない、飲みに行く仲の先輩だ。

「あれ? 夏目、今日やけに早いじゃん」

「水城さん、おはようございます」

 直が口を開くより先に、理人が立ち上がって挨拶した。

「ああ、神谷か。おはよう。――って、なに。お前らふたりで朝飯食ってんの?」

 水城が足を止めた。デスクの上のコーヒーとサンドイッチの残骸を見て、目を細める。

「そんなに仲よかったっけ、お前ら」

「別に、たまたまだよ。神谷が早く来てて――」

「ええ、仲いいですよ。俺たち」

 理人がさらりと言った。そして当然のように、直の肩に手を置いてきた。

「ちょ……近いって」

 反射的に身を引こうとしたが、理人の手は動かなかった。コーヒーの匂いに混じって、かすかにシャンプーの香りがした。思ったより近くに理人の顔があり、鼻先が触れそうな距離だった。形のいい唇がほんのり潤んでいて、思わずドキッとする。

 ――いやいや、待て。なにを見てるんだ俺は。

「お前ら、距離バグってない?」

 水城が腕を組んだ。呆れた顔をしている。

「バグってねえよ」

「バグってるだろ。後輩が先輩の肩に手置いて朝飯一緒って、普通じゃないからな」

「水城さん、考えすぎですよ」

 理人はすました顔でサンドイッチの包み紙を片付けていた。なにが「考えすぎ」なのか、直にはよくわからなかった。

「まあいいけど。始業前に片付けとけよ」

「はい」

 理人がようやく手を離した。離れた途端、肩のあたりがすっと冷えた。別にさみしいわけじゃない。ただ、手のひらの温度が残っているのが妙に気になった。

 水城が自分の席に向かう。三歩ほど歩いたところで、ちらりとこちらを振り返った。

「……つーか夏目、お前シャツしわくちゃだな。まさか泊まったのか?」

「…………」

 沈黙が答えだった。

「お前なあ……。またか」

「また、って。初めてだよ泊まったのは……」

「つーか、終電までいるのは毎日だろ。いつかこうなると思ってた」

 水城はそれだけ言って、席についた。

 直は小さくなりながら、残りのサンドイッチを口に押し込んだ。理人をちらりと見ると、目が合った。なにか言いたげな目だった。

「……なんだよ」

「別に」

 理人はコーヒーを一口啜り、前を向いた。

「先輩」

 水城が席について画面を立ち上げているのをぼんやり見ていると、理人がまっすぐこちらを見た。

「先輩って、生活破綻してますよね」

「……急だな」

「毎日終電。朝食抜き。シャツにアイロンかかってない。寝癖ついてる」

 一つずつ指折り数えられた。全部事実だから、一つも否定できない。

「部屋の掃除も、してないでしょう」

「……悪いかよ」

「食事はコンビニですか」

 長い前髪の隙間から覗く目がじっとこちらを見ている。目を合わせていられなくて、視線を逸らした。

「……毎日じゃねえよ」

「毎日でしょう」

「…………」

 答えられずにいると、理人が黙った。

 その沈黙が、なにより怖かった。

「ダメです」

 低い声だった。冗談で言っているんじゃないと、空気でわかる。

「食事を摂らないから、疲れが抜けないんです。睡眠も浅くなる。仕事の効率も落ちる。悪循環ですよ」

「そ、それは……わかってるけど……」

「わかってないから、こうなってるんです」

 ぐうの音も出なかった。少し離れた席で水城が何事かとこちらを伺っていたが、直はもう気にする余裕がなかった。

 理人が小さく息を吐いた。それから、直の目をまっすぐ見た。

「だから、これから俺が先輩を管理します」

「……は?」

「生活管理です。食事。睡眠。仕事の段取り。全部」

「いやいやいや。管理って、なんでお前にそこまで――」

「必要だからです」

 遮るように、短く言い切られた。

 理人は拳で、とん、と自分の胸を叩いた。

「任せてください」

 自信に満ちた声。有無を言わせない目。

 反論しようとして、口を開いたが言葉がでなかった。こういうとき断れないのが、自分の悪い癖だと知っている。でも今回は、断れないのとは少し違う気がした。

 理人がなぜそこまで言うのか。後輩が先輩の生活を管理するなんて、普通はしない。それは水城が指摘した通り「普通じゃない」ことのはずだ。

 なのに、理人の顔にはためらいがなかった。

 少し離れた席で、水城がこちらをちらりと見ていた。腕を組んで、なにか言いたげな顔をしている。目が合うと、水城は小さく首を振って、画面に向き直った。

 管理、という言葉が、やけに耳に残った。

 世話を焼かれているだけだ。後輩が先輩を心配してくれている。――たぶん、それだけだ。

 その「たぶん」が、少しだけ引っかかった。

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第一話 徹夜明け
 オフィスは静寂に包まれていた。 カタカタカタカタ。 聞こえてくるのは、自分がキーボードを叩く音だけ。 直はモニターから目を離し、伸びをした。首を回すと、鈍い音がした。肩も背中もバキバキだった。目頭を親指で押すと、じんわりと痛い。 それまで画面に集中していたせいで気づかなかったが、手を止めた途端、妙に肌寒かった。「……なんか寒くね?」 手のひらで二の腕をさする。空調が止まっている。 周りを見渡した。直の席の上以外、照明はすべて落ちていた。フロアは真っ暗で、窓の外のビルの灯りだけが、かろうじてデスクの輪郭を浮かべている。他の部署のフロアも、とっくに無人だろう。 壁の時計に目をやって、血の気が引いた。「やべっ……終電、終わってる」 がくりと項垂れた。 アーク・ブリッジ株式会社は二十時退社を推奨している。実際、ほとんどの社員はその時間には帰る。優秀なやつなら十八時台に颯爽と退社していく。 それなのに自分は終電どころか、終電すら逃した。 大きなため息が、がらんとしたオフィスに響いた。誰にも聞かれないため息ほど、惨めなものはない。 カプセルホテルか。ネットカフェか。――いや、もういっそ会社に泊まるか。どうせたまった仕事は減らない。 開き直って、モニターに向き直った。 キーボードを叩く指が、さっきより重く感じる。 なんで俺だけこんなに必死なんだろう。案件の数は、たぶんみんなと同じぐらいのはずだ。なのに俺だけが毎晩、このフロアに取り残される。 クライアントからの相談を断れない。ひとつひとつ丁寧にやろうとする。そのせいでメールの返信は後回しになり、夕方には提案書が手つかずで残る。そこから夜が始まる。 わかってる。段取りが悪いんだ。 わかってるけど、直せない。 モニターの文字が滲んできた。瞼が重く、頭もぼんやりする。 携帯を見た。未読のメールが十二件。会社のメールボックスにも未読のメールが十件以上たまっていた。 クライアントの山田さんからの追加依頼、佐藤さんからの仕様変更の相談、営業資料のレビュー依頼。どれも「明日でいいですよ」と言ってくれているのに、どれも気になって手放せない。 今やってしまわないと、明日に持ち越しになる。そうすれば、また仕事がたまる。 わかっているのに、急に眠気が襲ってきた。瞼が重い。 ――もう限界だ。十分だけ
last updateLast Updated : 2026-03-01
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第二話 弁当の理由
 理人に「管理」を宣言されたその日から、早速テコ入れが入った。 夕方五時過ぎ。直がまだモニターに向かっていると、真横に人の気配がした。「先輩、帰る時間です」「は? まだ仕事中なんだけど」「徹夜の分は朝七時から出勤した扱いです。八時間超えてますよ」 理人は腕を組み、じっと見下ろしている。前髪の隙間から覗く目が動かない。逃げ場がなかった。「あとちょっとだけ……」「ダメです」 短い否定。そして、絶対だった。「……わかったよ」 渋々、帰り支度を始めた。本当はクライアントからのメールに返信したい。明日の提案書も手直ししたい。けれど理人の様子を見る限り、粘っても無駄だ。 帰り支度が整うと、理人は直の腕を掴んだ。「お疲れさまでした」 理人が課内に声をかける。直も仕方なく「お疲れっした」と挨拶した。周囲から驚きの視線が刺さった。それもそうだ。いつも誰よりも遅く帰る男が、まだ明るいうちにオフィスを出ようとしている。 エレベーター、エントランス、駅まで。理人は腕を離さなかった。「いつまで掴んでんだよ」「先輩が電車に乗るまでです」 有言実行だった。直を車両に押し込むと、理人はホームから小さく手を振った。ドアが閉まる。「明日は九時出勤でお願いします」 文句をいう間もなかった。 結局、次の日も起きられなかった。いつも通りコアタイムぎりぎりの十時五十五分に出社した。「ざいまーす……」 営業二課の島に向かうと、理人がこちらを向いた。目が笑っていない。「先輩。九時って、いいましたよね」「ああ……そうだっけ」「そうだっけ、じゃありません」 短く切られた。怒鳴るわけでもない。ただ、静かに事実を突きつける。それが一番堪えた。「明日から朝、電話します」「は? なんで」「起きられないなら、起こします。席についてください」 反論の余地がなかった。周囲の席からちらちら視線を感じる。直は舌打ちを飲み込んで、席に座った。 朝イチで小言を食らって、仕事に集中できない。苛立ちが先に立って、メールを開いても頭に入らない。返信しなければいけないクライアントからの問い合わせが三件、提案書の修正依頼が一件。どれも手をつけられないまま、時間だけが過ぎた。 気づけば昼になっていた。出社してから一時間。なにも片付いていない。情けなさすぎて、ため息が出た。 昼ごはんを
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