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第43話(31)

ผู้เขียน: 北川とも
last update วันที่เผยแพร่: 2026-08-16 17:00:34

 大蛇が棲む肌の下に満ち満ちていたのは敵意だと、和彦は感じ取っていた。

 それは、根拠のない噂によるものかと、浅薄に判断していた自分がいまさらながら口惜しい。賢吾はずっと、南郷を危険な存在として警戒していたのだ。それは和彦も同じだったが、まったく足りなかった。

 もっとも、和彦のような存在がいくら警戒したところで、結果は見えていたが。

「――眠れんのかね」

 前触れもなく声をかけられ、危うく悲鳴を上げそうになる。振り返ると、丹前姿の守光が立っていた。口ごもる和彦にかまわず、守光がソファに歩み寄ってくる。仕方なく毛布を端によけた。

「何か酒でも準備させようか」

 隣に腰掛けた守光の言葉に、和彦は首を横に振る。

「けっこうです……」

「少しぐらい酔ったほうが、口も軽くなる。その勢いでわしを罵ってくれてもかまわんのだが」

 この瞬間、和彦はカッとした。

「あなたはそんなっ――」

 腰を浮かせかけたところで、さんざん押し広げられた部分がズキリと痛んだ。
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     大蛇が棲む肌の下に満ち満ちていたのは敵意だと、和彦は感じ取っていた。 それは、根拠のない噂によるものかと、浅薄に判断していた自分がいまさらながら口惜しい。賢吾はずっと、南郷を危険な存在として警戒していたのだ。それは和彦も同じだったが、まったく足りなかった。 もっとも、和彦のような存在がいくら警戒したところで、結果は見えていたが。「――眠れんのかね」 前触れもなく声をかけられ、危うく悲鳴を上げそうになる。振り返ると、丹前姿の守光が立っていた。口ごもる和彦にかまわず、守光がソファに歩み寄ってくる。仕方なく毛布を端によけた。「何か酒でも準備させようか」 隣に腰掛けた守光の言葉に、和彦は首を横に振る。「けっこうです……」「少しぐらい酔ったほうが、口も軽くなる。その勢いでわしを罵ってくれてもかまわんのだが」 この瞬間、和彦はカッとした。「あなたはそんなっ――」 腰を浮かせかけたところで、さんざん押し広げられた部分がズキリと痛んだ。狼狽した和彦はすぐに勢いをなくし、ソファに座り直す。そんな和彦を、守光は静かな目で見つめていた。「休む前に、鎮痛剤を持ってこさせよう。そうなると、酒はやめておいたほうがいいな」 守光は話をしたがっているらしく、和彦がどれだけ黙り込んでも立ち上がろうとはしなかった。 一方の和彦も、聞きたいことはいくらでもあるが、まだ頭は混乱しており、動揺もしている。しかし、今を逃せば、何も聞き出せない気がした。 傷ついた〈オンナ〉に、守光が多少なりと憐憫の情を抱いているなら、利用しない手はない。そう打算的に考える自分に、自己嫌悪に陥りそうになりながら、ようやく和彦は口を開いた。「……どうして、ぼくなんですか」 吐息を洩らすようにして守光は笑った。「夕方、あんたは、わかったような気がすると言っていたんじゃないかね」「それは……、あなたが、ぼくに興味を持った理由です。でも南郷さんは……」「同じだよ。賢吾が、あんたに興味

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     さきほど口にした、『尽くす』という言葉を実行しているかのように。 ふっと、疑問が口を突いて出ていた。「……あなたは、賢吾さんに成り代わりたいと思っているんですか?」 視線を伏せたまま南郷は笑った。「先生はどう思う?」「ぼくは……、権力争いや内部抗争とか、よくわかりません。ただ、長嶺組は、長嶺の血を引く男だけが跡を継げるんですよね」「毒されてるな、あんたも。さっきも言ったが、俺には長嶺の血は一滴も流れてない。俺ごときが、長嶺組をどうこうしたいとも思っていないしな。心配しなくていい。それについては」「心配なんて……」「総和会の中にいて、くだらん噂を耳にしたんだろう。例えば――第一の御堂あたりか」 和彦はムキになって否定したが、聞いているのかいないのか、南郷はいきなり内奥に指を挿入し、掻き出すような動きをする。ますます屈辱に身を強張らせ、和彦はきつく唇を噛んだ。「あの男は、見た目はほっそりとした優男で、いかにも荒事に向かない姿をしてるが、代わりに、毒を使う。流言飛語に真実を混ぜて、他人を翻弄する。そうやってどこかの組織を瓦解させた。と、俺は聞いたことがある。あまり御堂を信用するな、先生。あんたもうっかり利用されて、どう身を滅ぼされるか、わかったもんじゃないぞ」「……今、あなたがそれを言うんですか」 違いない、と至極まじめな顔で南郷は頷く。 下肢の汚れを簡単に始末されたところで、ようやく和彦は解放された。起き上がった途端に頭がふらつき、額に手を当てる。すると、肩から新しい浴衣をかけられた。「このまま浴場に行くといい。自分で体を洗いたいだろ。――別に、俺が手伝ってもいいが」 和彦が頷くはずがないとわかっていながらの、南郷の提案だった。萎えかけた気力を振り絞って浴衣に袖を通し、雑に帯を締める。 半ば逃げるように部屋を出た和彦は、次の瞬間ぎょっとする。廊下に吾川が立っており、和彦の姿を見ても表情一つ変えることなく、軽く頭を下げた。「浴場に向かわれるのでしたら、あ

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