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22同じ思いをさせてやる

Author: 缶小豆
last update publish date: 2026-10-26 19:30:00

「まさか一気に宗明と結ばれるとは思わなかったわ」

宗明の高級マンションで、理沙からそうからかわれた紗良は頬を赤らめた。

宗明がセキュリティを意識していることを知っていたから、誰も入れる気はなかったが、その宗明から懇願されたのだ。

「外に出るくらいなら、理沙を部屋に招き入れてくれ。紗良に何かあったらと思うと心配なんだ」

宗明は、紗良の安全をとにかく望んでいた。

「急展開で驚いていたでしょう。ただ、彼に愛されて初めて分かったわ。どれだけ自分が今まで、愛されていなかったのかをね……」

紗良は、送られなかった宗明の手紙やプレゼントを思い出した。

自分を理解しようとしていた彼の記録だ。

紗良のAI研究も会話についていけるように独学で学び、年頃の女の子が喜びそうなプレゼントがたくさん買ってあった。

凌平は、澪奈を優先させる俺を理解しろというだけだったのに、宗明からは、紗良を理解し、喜ばせたいという想いが伝わってくる。

今、リビング

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    「なん……だと……」凌平は、今まで、紗良に対して不貞を疑うようなことを言いつつも、本当に紗良に男が出来たとは思っていなかった。だが、紗良に今まで凌平が手出ししなかったことを知っていると告げられた上に、自分が抱いて極上だったと知らない男から宣言されたのだ。凌平が電話口で混乱しているのが、紗良にも手に取るようにわかった。紗良が綾川財閥の令嬢だと知っていたら、婚約者の存在も本気にしていたのかもしれない。だが、凌平は、モテない女が親に見合いをさせられたぐらいにしか思っていなかったのだろう。「私に婚約者がいたことは凌平には伝えていたでしょう。復縁するのもおかしくなければ、婚約者なのだから当然、体の関係があると思わない?」今まで、手を出さないことを大切にされていると勘違いした女を凌平たちは嘲笑ったに違いない。紗良は、少し言葉に棘を含ませて「当然」という言葉に力を込める。だが、強がるように凌平は怯まなかった。「元婚約者……ああ、思い出した。将暉が死んだのは自分のせいだと紗良が苦しんでいた時に、連絡一つ寄越さず、顔すら見せなかったやつか……」ふんっとバカにしたような凌平の言葉がスマホから流れると、今度は宗明の耳がぴくっと動く。端正な顔からさっと血の気が引いたかと思うと、それまで挑発するように、紗良の胸元に差し入れていた手も凍りついたように止まり、ゆっくり引き抜かれた。「凌平」と書かれている画面を睨むその目は、紗良に対する甘える優しさを含むものから、底知れない澱んだ漆黒の冷気がはらむものに変わる。「ああ、その隙にとんだ泥棒に大切な宝を盗まれたのだから、俺の痛恨のミスだ。せめて将暉の死を早く知る事ができればと悔やまれてならない。ところで……」宗明の目はスッと細くなり、室内の体感がぐっと低くなったような感覚を受ける。「お前はどうやって将暉の死を知った?」「どうって…&hell

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  • 貴方が愛したわたしはもういない   23 絶対にお前を離さない

    「凌平と澪奈は何を考えているの?澪奈と幹部が株を持って、社長の凌平が株を持たないのはやりにくいと思うんだけど……」紗良には、彼らが何をしたいのか見当がつかない。株式会社は、株の過半数とったものがその会社を支配できる。だから、紗良も会社の全権を早く握るために、株をかき集めようと動いているのに。「ここで凌平が手放すなんて……てっきりあっちも、同じように過半数をかき集めるんだと思っていたわ」株主たちに梯子を外されたら、凌平の立場を守るものは何もない。理沙は、コーヒーカップを置き眉をひそめた。「もしかして、紗良から奪うつもりなんじゃない?今までと一緒よ。紗良の物は自分のものっていう傲慢さよ」「マンションの時と同じね。二人のマンションなんだから、俺のものだろうっていう……」それではたかりだけどね……と紗良は冷ややかに呆れて息を吐いた。4年間紗良が尽くし続けていた都合のいい幻に、今も縋り付いているのだろう。「でも、もう二度と戻る気はないと明確に告げたのに……どうして、凌平の頭の中はあそこまでお花畑でいられるのかしら?」紗良には理解できなかった。証拠は見つけられなくても、熟女クラブの女性たちをあてがったのは紗良だと分かっているはずだ。澪奈との浮気の証拠も見せたし、もう戻らないと分かりやすく告げるためにマンションも売却した。それでも自分の元に戻ってくると思うあの自信は何?紗良は段々その凌平の思考回路に薄気味悪いものを感じ始めていた。「絶対に自分を好きでいるはずだと思っているみたい。それか、振られたような形になったからプライドが傷ついたのかしら。どちらにしても、ちょっとおかしくない?」「うん、ストーカー的な執着しているものを感じるわ。紗良、ここはセキュリティがしっかりしているけど一人で動いてはダメよ。すでに危険な目にあっているし、犯罪まがいのことをしかねないわ」

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