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第275話

Author: ドドポ
澪は抵抗したが、抗えば抗うほど洵の動きは荒々しくなった。

口の中に鉄の錆びたような味が広がり、洵に唇を噛み破られたのだと気づいた。

「洵、気でも狂ったの!?」

澪が洵を突き飛ばすと、今度は肩を強く掴まれた。

肩の激痛に、澪の顔が歪んだ。

その時、洵が自ら彼女を離した。

澪は、洵が血を流している手をギリギリと強く握りしめ、さらに血を滴らせているのを見た。

ふと、彼女は悟った。洵は痛覚を利用して、無理やり正気を保とうとしているのだ。

洵はまさか……薬を盛られたのでは?

澪自身も、かつて催淫効果のある薬を盛られたことがある。あの時の苦しみは、まさに生き地獄だった。

反抗する体力も、理性も残っていなかった。

幸い、あの時は事なきを得たが。

澪は黙って洵を見つめた。正気を失いかけながらも、決して屈しようとしない洵を。

洵は変わってしまったのだろうか?

それとも、昔のままなのだろうか?

澪は首を振った。

今はそんなことを考えている場合ではない。

洵を助けなければ。

でも、どうすればいいの?

「洵、もう少しだけ我慢して。今すぐ病院へ……」

澪がおそるおそる洵に
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