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第287話

Author: ドドポ
澪はそう言った。

洵も反論せず、澪を車から降ろした。

「話がある。中へ入れ」

久々に足を踏み入れたかつての「家」は、家具や調度品の配置など、結婚したばかりの頃と全く同じだった。

澪は少し目を見張り、意外そうに、そして不思議そうに辺りを見回した。

彼女の記憶が正しければ、この家はとっくに千雪によってピンク一色に改装されているはずだ。

「千雪はここに住んでいない」

洵が不意にそう言った。

澪は、自分の心を読まれたような気がした。

この家の内装を見る限り、洵は嘘をついていないのだろう。千雪はここには住んでいない。

「彼女がここに住んでいるかどうかは、私には関係ないわ」

澪は静かに言った。

「驚いたろう?酒でも飲むか?」

洵が聞いた。

澪は首を振った。

「いらない。別に怖くもなかったし」

「そうか」

澪の落ち着いた表情が強がりではないと見て取り、洵は自分の分だけ酒を注いだ。

澪は、洵が氷を摘み上げるのを見た。

「こんなに寒いのに氷を入れるの?胃はもう痛くないの?」

言い終えてから、澪は自分の頬をひっぱたいてやりたくなった。

また余計なことを言ってしまっ
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