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話合い

Author: チビ
last update publish date: 2026-09-28 19:14:51

前世の記憶を取り戻してから記憶はあるが動作は年齢に引っ張られていた。舌足らずな話し方、無邪気な動作意識しないと幼子の状態になり、何度も羞恥を味わってしまう。

別室で軽食と飲み物をだされソファーで休憩していると、ノックされ王様が現れた。

王様と宰相、ローブの者達と医者数名が入って来て、キリア達の前にきた。

前のソファーに王様が座る。

宰相が医者からの報告を始めた。

「騎士ダンロップの怪我は完治暫く養生すれば騎士に戻れると報告がありました」

宰相の声に白衣を着た医者達が頷く。

「さて、キリア嬢聖女に興味はあるか?」王様がキリアと目線を合わせた。

キリアは暫く考え首を振る。

「魔法は好きですが、聖女は嫌です」とはっきり拒絶した。

「それは何故だ?」

この国では聖女は15歳以上でしかなれない。が聖女見習いには何歳でもなれる。

目の前の少女は僅か5歳で現在アマリリス家時期当主の可能性がある。

聖女は教会の管轄になるが国の重要人になれる。

「聖女は無償で自分の好きにできません」とキリアは答えた。

「好きな事とは?」王様は怒ることもなくキリアと話しを続ける。

「魔法をいっぱい使いたいし、魔道具も作ってみたい。それにドラゴンに会いたい」とキラキラした瞳で身ぶりを加え話す姿は可愛らしく笑いを誘った。

「キリア嬢では聖女じゃなく、魔術師の塔に入らないか?」

「マジュチュシ?」

舌足らずのキリアには発音できず、王様の手前大人達は笑いを堪えていた。

「魔道具を作るも良し魔法の勉強をするも良し。まぁもう少し大きくなったらだが、彼らが魔法を教える」

とローブのもの達がローブのフードを脱ぎ顔を出す。

「魔術師の塔主カーキン・モクセイじゃ」ギムレットよりも年上で白髪の長髪で仙人のような髭の好好爺が挨拶する。

「バーレ・オニオンだ。俺が主に魔法を教える隣はジーク魔道具作りを教える」

「魔法を教えて貰ったらマジュチュシの塔に行かないとダメですか?」

キリアが頭を傾げた。

「陛下。この子はまだ幼くものを知りません。もう少し大きくなってからではいけませんか?」ギムレットが王様に願い出る。

王様と宰相とカーキンがヒソヒソと話しをしてキリアに向き直ると「魔法や魔道具作りは教えて貰え。キリア嬢がなりたいものになればいい。だが治療を頼みたい。報酬も出る」キリアを見て王様が問う。

「マジュチュシの塔に行かなくても教えて貰えるの?」キラキラと瞳が輝き嬉しそうにキリアが応えた。

「治療に関しては魔法を学んだ後で」とギムレットが話すのを遮るように

「回復魔法に関してはキリア嬢は既にこの国1じゃよ」

カーキンが続ける。

「初級回復魔法で上級魔法と同じように治療したんじゃ。。他の回復魔術師は治療できなんだ」

「我々が魔法を教えるのはもっとスムーズに使いこなせるよう、他の魔法が使えないか試したいのもある。回復魔法に関してはキリア嬢が試行錯誤しながら高めるしかない」

バーレが言う。

「ギムレット前伯爵キリア嬢はもっと凄腕の回復魔術師になれるし聖女にもなれる要素があります。私たちも5歳の子供に頼るのは心苦しいのですが、回復魔術師が全く足りなく、現聖女の力も弱いのです」

宰相の言葉は事実であり、その事を知るギムレットは苦い顔をして「キリアに無理をさせないようにして下さい」と受入れた。

「キリア嬢の立場として魔術師の塔の特別魔術師に任命します。契約金と毎月の報酬はこちら。貴族からの依頼はこちらです。基本的に騎士や王族の治療のみで、それ以外は別料金が支給させます」

宰相のロベルトが5枚程度の束をギムレットに渡し、契約が毎年更新である事を伝えた。

ギムレットはサインをすると、「では預かります」とバーレがキリアを抱きかかえ連れてった。

「待て!連れて行くなんて聞いてない」

「キリア嬢の為じゃよ。魔力暴走しないよう魔力コントロールを覚えさせる事が先決じゃ!魔力暴走を抑えられる者が近くにいたほうが良い」

ギムレットが考え自分たちより魔力量の多いキリアを抑えられる者がアマリリス家にはいないのを思い渋々了承した。

「魔力コントロールが上手く行けば帰れるので」バーレが補足した。

こうしてキリアには魔術師の塔で住み込む事が決まった。

一方アマリリス家ではキリアを置いてきたギムレットに厳しい視線が突き刺さる。

元気を大分取り戻したイリスだがまだまだ養生が必要なのに執務室で怒るに怒っていた。

「お父様はお金の為にキリアを魔術師達に渡したのですか?」

ギムレットの説明を受け頭では理解するものの「あの子はまだ5歳ですのよ!」子を取り上げられ怒り狂う様子はメデューサのようで、ギムレットは腰を引きながら説明を繰り返し。

「回復魔術師の仕事だけだ!危険な事はない。寧ろ魔力暴走を抑えられる者がアマリリス家にいないから魔力コントロールを覚える迄魔術師の塔にいるほうが安全だ」

2人の話は平行線を辿り、使用人達からも冷たい視線をギムレットは浴びるのであった。

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