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辺境伯

作者: チビ
last update publish date: 2026-10-06 23:50:59

2日後ギムレットとキリアは辺境伯に会いに行った。

辺境伯は辺境地の中央にある屋敷に住んでいる。

馬車で1日の距離だが町以外の場所は魔物が出る為2日かけて移動する。

馬車に魔物避けの魔道具を使い辺境地に入った。

今日泊まるホテルは昨日冒険者登録を行った場所で、門番は昨日と同じ人達が立っていた。

難無く門を潜りホテルに到着した。

魔道具を取り外しホテルに入った。

辺境地に来るものは冒険者や商人ぐらいで貴族が来る場所ではない為綺麗なホテルはない。

キリアは思い出したくはないが離れで暮らした事があり、綺麗な場所じゃなくても気にならない。

ギムレットも回復魔術師で色々な場所に呼ばれることもあり、ボロボロのホテルでも慣れていた。

アマリリス領を出たのは昼過ぎだった為丁度いい時間にホテルに入れた。

ホテルには風呂がついていないのでスタッフが桶にお湯を入れ持ってきてくれた。

連れてきた使用人がキリアの身体を拭いてくれた。

「ありがとう」キリアは使用人のララにお礼を言った。

ララは男爵令嬢なのだが、小さい時に父親が亡くなったり男爵家は父親の弟が継いだ。母親の実家に戻ったが母親の実家は貧乏男爵で家族皆働いている。ララは12歳の頃からアマリリス領の屋敷でメイドとして働いている。現在22歳だ。

「お嬢様、使用人にお礼を言ってはいけません」とキリアの教育係でもある。

「言うよ!何度も」キリアは悪びれず「だって貴族の前に人だし。バーレさんから教わってることだもん」

「バーレさん?」

「魔術師の塔のバーレさん。勉強や魔法を教えてくれる人」

「ま、魔術師の塔?」ララが驚き声が裏返る。

「色々あって教わる事になったの」

ララが驚きから我に返り

「お嬢様はもう魔法を使えるのですか?」

「うん、使えるよ!」キリアはララを見て笑う。

半信半疑でキリアを見ると、キリアは空中に樽に入った水を浮かべた。

その水でウサギを作ったり、犬を作ったり、ぐるぐる回してみたりした。

「す、凄い!」細いララの目が開き驚いていた。

ララは魔力量が少なく、使える魔法は水を出すだけで自由に水の形を変えることもできない。

「魔法は使えば魔力量が増えるから毎日使っていけば使える魔法が増えるかもよ」キリアがララに教えた。

「ララは水が出せるなら掃除で使う水をバケツにだしたり、お風呂に水を張ったりできるよ。魔力量が増えれば水の量を増やせるし、水の温度を変えられるから便利だよ」

「やってみます!魔力量が増えるなら頑張ってみます。でも学園じゃ魔力量が増えると教わらなかったですよ」

「魔力コントロールが悪いのかも。ハンカチを魔力で浮かして、そのままキープさせるといいよ。お母様から教わったの」とハンカチをとりだし浮かべそのままキープさせる。

はいっとハンカチを渡すとララはキリアのようにやり始めるが上手くいかない。

ハンカチがすぐに落ちる。

「難しいですね!」

「今でこそ簡単にできるようになったけど、何度も失敗したよ!難しいよね!」

キリアとララがハンカチを浮かべる練習をしてるとノックがあり、馬車を動かしてくれたサンチェが夕食だと呼びにきた。

3人で食堂におり、先に来ていたギムレットがメニューを見ていた。

辺境地には4人で向っている。

ギムレットとキリアが一緒のテーブルを使いその横のテーブルににララとサンチェが座った。

スープは具は少なく、パンもパサパサで、肉は獣臭かった。

前世の記憶があるキリアはこの世界の食事に満足した事はなかった。

だが辺境地の食事は今までで監禁された時を除くと1番不満足だった。

食料が足りなく、塩も手に入らないのだろう。

領にお金がないのだ。

辺境地は特殊な場所で、国に税を納めなくていいが、平民達は税を払う。

国からも辺境地には支援金が支払われるが、平民からの税と支援金の殆どが兵士達の給金や戦いで怪我して戦えなくなった兵士達の見舞金やポーションや武器や防具に充てられる。

魔物のせいで瘴気が多く農産物は育ちにくい。

他の領からも仕入れられるほどの余裕はないのだろう。

次の日の早くホテルを出発して辺境伯がいる屋敷がある町に到着した。

高い塀で覆われ頑丈な門が片側だけ開いていた。

馬車はそのまま辺境伯の屋敷に到着した。

キリアは目の前の屋敷を見あげた。

屋敷じゃなく城だよね!

王宮並の大きさだ!

ギムレットとキリアは使用人に案内され中に入った。

王宮並の城の中には優美な物は1つとしてなく、案内された応接室には硬いソファーと木のテーブルだけがあった。

出された紅茶は安い粗悪品で歓迎されてないと思った。

「辺境地はいつもこんな感じだから気にしないでいい」とギムレットがキリアの頭を撫でた。

「必要な事にお金を使うから余分な物にお金を使わないんだ」

「そんな子供に言っても理解できないだろう」と応接室に入ってきた大男が言った。

身体もデカくギムレットと同じぐらいの年なのに筋肉隆々で眼光の鋭いイケオジだった。

そのイケオジは赤い髪に黒目の騎士服を着た男性で前のソファーにでんっと座った。

「アルフォンス・キールだ!」

キリアを見て名を告げた。

「キリア・アマリリスです」キリアも返した。

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