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第112話

Auteur: タロイモ団子
本来、「制御不能」に陥っていたはずの黒いワゴン車は、形勢が不利と見るや否や、突如として正常な走行へと戻り、そのままUターンして逃走した。

理玖は深追いすることなく、冷静に電話をかける。

「環状七号線、杉関302 る・65-61」

紬がようやく事態を理解できたのは、それからしばらく経ってからだった。

――今のは……計画的な殺人未遂だったの?

似たような出来事が、成哉と結婚して間もない頃にもあった。

新婚当時、二人は新浜に住んでいた。

ある日、紬はふと思い立ち、会社まで成哉を迎えに行こうとした。

ガレージには、成哉が普段使用しているベントレーが一台停まっているだけだった。

事件は、その会社の近くで起きた。

あの時の事故は凄惨だった。

紬は三か月にも及ぶ入院生活を余儀なくされた。

だが、成哉が見舞いに訪れたのは、事故の翌日ただ一度きりだった。

「大人しく治療に専念しろ。これからは天野家の妻として家でじっとしていろ。無暗に出歩くな。お前がこんな馬鹿な真似をしなければ、あんな災難には遭わなかったはずだ」

当時の紬には、事故の真相を知る術などなかった。

成哉の言葉を疑
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