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第258話

Penulis: タロイモ団子
紬は目の前の男に向かって、柔らかな微笑を浮かべた。

「あなたが、鈴木先生でしょうか?」

「ええ、いかにも」

鈴木勝(すずき まさる)は紬の対面に腰を下ろし、どこか含みのある笑みを湛えた。

彼の苗字は確かに鈴木だ。自分こそが紬の依頼した弁護士だと突き通せば、それで済む話だった。

しばらく言葉を交わし、彼女が自分の正体を微塵も疑っていないと確信した勝は、本題へと切り込んだ。

「新浜における天野家の勢力を鑑みれば、今あなたが彼と離婚するのは得策ではありません。相手側の出方次第では、財産分与でかなりの苦戦を強いられることになりますよ」

「では、どれくらい取れるのかしら?」

紬は焦燥を隠せない様子で眉をひそめ、急かすように尋ねた。

勝は用意していた書類をテーブルに広げると、丸で囲った一箇所を指差した。「概ね、四から五といったところでしょう」

「五十億くらいですか?」

「いえ、五千万円ですよ」

勝は首を振り、わざとらしく険しい表情を作ってみせた。

紬は信じられないといった面持ちで、ひったくるように書類を凝視した。

「そんなはず、ありませんわ」

「お子さん二人があなたの
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