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第817話

Author: タロイモ団子
一方、その頃。

「なんだって、あの馬鹿息子がまたあんたのところへ行ったって!?」

「そうだよ」

渉はすでに生きる気力を失ったかのような口調だった。

「姉さん、お願いだから、今後こういう厄介なことは僕に頼まないでくれないか。本当に、もう手に負えないんだよ」

もともと黒澤家の会社には、それほど強固な基盤があるわけではなく、神谷家と比べれば、蟷螂の斧も同然だ。

その上、理玖から標的にされ、意図的とも無意識ともつかない圧力を受けている。

これでは、神様であっても、もはやこの家業を救うことはできないだろう。

しかし、喜久子は納得がいかなかった。

「前から言ってるじゃない。あの紬とかいう女が神谷家に嫁ぐのを、黙って見過ごすわけにはいかないのよ!」

喜久子の言葉を聞きながら、渉の心はすでに麻痺し始めていた。

このままなら、そろそろ家族に話をして、喜久子と少し距離を置くことを考える時期かもしれない。

渉はきっぱりとした口調で口を開いた。

「姉さん、本当にこれ以上は無理だ。そういうことでよろしく。今後、紬さんのことには、僕は一切手出ししないからな!」

理玖の今回の一連の動きに
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  • 輝く私の背中に、夫は必死に追いつこうとした   第817話

    一方、その頃。「なんだって、あの馬鹿息子がまたあんたのところへ行ったって!?」「そうだよ」渉はすでに生きる気力を失ったかのような口調だった。「姉さん、お願いだから、今後こういう厄介なことは僕に頼まないでくれないか。本当に、もう手に負えないんだよ」もともと黒澤家の会社には、それほど強固な基盤があるわけではなく、神谷家と比べれば、蟷螂の斧も同然だ。その上、理玖から標的にされ、意図的とも無意識ともつかない圧力を受けている。これでは、神様であっても、もはやこの家業を救うことはできないだろう。しかし、喜久子は納得がいかなかった。「前から言ってるじゃない。あの紬とかいう女が神谷家に嫁ぐのを、黙って見過ごすわけにはいかないのよ!」喜久子の言葉を聞きながら、渉の心はすでに麻痺し始めていた。このままなら、そろそろ家族に話をして、喜久子と少し距離を置くことを考える時期かもしれない。渉はきっぱりとした口調で口を開いた。「姉さん、本当にこれ以上は無理だ。そういうことでよろしく。今後、紬さんのことには、僕は一切手出ししないからな!」理玖の今回の一連の動きによって、会社はまたしても巨額の損失を被ったのだ。渉自身も、理玖のやつが間違いなく何かに感づいていると痛感していた。そうでなければ、これほど正確に狙いを定めて、海外の大型プロジェクトを阻止してくるはずがない。なんといっても、あのプロジェクトは黒澤グループに二兆円もの収益をもたらすはずだったのだから。あの時、紬に手を出すべきではなかったのだ。今この瞬間、渉は後悔してもしきれなかった。喜久子はまだ諦めきれない様子だった。「渉、私はあんたの姉よ!」「もうやめてくれ!姉さんが姉だってことくらい分かってる。でも、この件はこれで終わりだ。もう手助けはしない。あとは自分で何とかしてくれ。それから、弟として言わせてもらうけど、理玖はもう大人だ。一人前の大人として、自分の考えを持っている。どうしてもう少し口出しを控えられないのか?」「いくら大きくなっても、私の子よ!」喜久子は高圧的な口調で言い放った。「私が気に入らない女なら、例え嫁に入ったとしても、絶対に離婚させてやるわ!」それを聞いて、渉は喜久子にはもはや救いようがないと悟った。この瞬間、自分が笑

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