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第28話:漆黒の招待状と、一網打尽のシナリオ

Auteur: YOR
last update Date de publication: 2026-06-21 10:39:10
人は、単調で膨大な作業を強制さると、精神的に極限まで疲弊する。すると必ず注意力が散漫になるものだ。さらに「どうせゴミとして処分する古い書類だ」という油断が生まれれば、自分が過去に犯した隠しておきたかった不都合な書類の存在にまで頭が回らなくなる。

明衣ちゃんが送ってきたのは、白金葵の実家である白金ジュエリーの深刻な赤字を補填するための、裏の資金移動計画書だった。

一言で言えば、会社を私物化していた、という表現がぴったりな代物だ。

罠に引っかかった理由はこれだ。

白金葵は、婚約者である地方建設会社の御曹司・黒岩悠斗の実家から、新規プロジェクトの共同出資という名目で多額の資金を巻き上げ、それを実家の横領隠蔽に流用しようと画策していた。

それだけではない。白金葵の父親は、その黒岩家の資金を使って、いずれは桐島ホールディングスさえも乗っ取るか、あるいは自社より格下に引きずり下ろそうと牙を研いでいたのだ。

(だから、あの日――)

エレベーターの中で黒岩悠斗は、

『如月さん。白金さんをうまく、言い負かしましたね』

何かあるのだろうとは思っていたが、まさかね。

婚約者である白金葵の
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  • 返却請求代行―婚約破棄の代償、払わせます―謎の男に愛され始める   第3話:境界線

    それからの二週間、直樹さんは目に見えて変わっていった。 以前なら「資料のここ、どう思う?」と聞いてきた夜の時間は消え、直樹さんは連日のように麗香専務との会食で帰りが遅くなった。たまに帰ってきても、身につけている時計やネクタイが、とても手が届かないような高級品に変わっていく。不安で仕方なかった。だけど、声をかける時間すらもなかった。時々、直樹さんが一言二言話すだけで、璃子の話は聞こうともしない。 「俺、もうすぐ大きな仕事……いや、人生の勝負に勝つから。璃子も楽しみにしてろよ」 そう言って抱き寄せた。けれど、直樹さんの香水の匂いは、璃子が選んだムスクではなく、どこか気高く、刺すような柑橘の香

  • 返却請求代行―婚約破棄の代償、払わせます―謎の男に愛され始める   第2話:不穏な足音

    広告代理店の企画職・ブランド戦略のフロアに着き、横を見るとこの会社の専務であり社長令嬢の桐島麗香が訪れていた。 「そこのあなた」 「麗香専務。おはようございます」 麗香専務の機嫌を損ねることは、この会社ではクビを意味している。だから、璃子は深々と丁寧なお辞儀をして、挨拶をした。 「芹沢さんを呼んでくださる」 直樹さんに渡した資料にミスが出たのではないかと、不安が押し寄せた。 「かしこまりました」 何度も確認しているそう思いながら、急いで直樹さんのデスクへ向かった。デスクのモニターを見ている直樹さんの肩を軽く叩く。 「璃子! そ

  • 返却請求代行―婚約破棄の代償、払わせます―謎の男に愛され始める   第1話:私の婚約者

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