تسجيل الدخول夜斗と玲央はフレンチを楽しんだ後、直ぐさまタワマンへとトンボ帰りをした。夜斗はリムジンの中で、酔い醒ましに買った水をゴクリと飲んだ。酒に酔って火照った身体に冷たい水はよく沁みる。
「ハァ...食べたし飲んだなぁ...」
「満足してくれたかい?」 「飼い主初日としては合格!アンタ一体何者なんだ?それくらい教えてくれよ。こうして専属の運転手がいるくらいだし、さぞ良いとこの坊ちゃんなんだろ??」夜斗がそう言うと玲央は少し考え込むように黙った。なんて答えようか。そう考えているようである。
「...何処にでもいる会社経営者の息子だよ。他のところよりは大きい会社だけどね。」
「てことは次期社長?!オレとそんなに歳変わらなそうなのに。てかアンタ今いくつ?」 「28才だよ。」夜斗は驚いた。まさか自分より2つ年下だったとは...。
「オレは年下に猫扱いされてるのか...」
「はは。君は年上に見えないから大丈夫だよ。」 「...ディスってんのかよ?」 「人聞きの悪いこと言うなぁ。ホラ、着いたよ。僕らの家に。」喋っているうちにタワマンへとたどり着いたようだ。そうだ。あのジャクジーを楽しむんだった。
「なぁなぁ!ジャクジー!ジャクジー入りたい!」
「...ホント、ヨルは猫のようにコロコロと気分を変えるね。見てて飽きないよ。」「早く早く!」と玲央を急かす夜斗に玲央はクスリと笑う。そして最上階の部屋に着くとそこら中にポイポイと服を脱いでいく。パンツ一丁になった所で浴槽にお湯をはる。待っている間あの無駄にでかいベッドに飛び込もう。そう考えていると夜斗は玲央に手を引かれ抱きしめられる。
「お、おい...?どうした?」
「ヨル...君はいつまでも変わらないでおくれ。」 「?どういう事だ?...まさかあれくらいのワインで酔ったか?」 「酔った...そうだね、僕は君という存在に酔っているかもしれないな。」そう言いながら玲央は夜斗の頬に手を添えて口付けを交わした。酒の味がするキスは何度もしてきたので慣れている。酒臭いはずなのに、自然と嫌な気はしない。あぁ、気持ちいいな。そう思いながら夜斗は玲央のスーツを脱がしていく。
「...一緒に入るか?」
「魅力的なお誘いだ。...断るはずが無いだろう?」そうして二人は浴室へときえていった。
あれから2人は甘い一夜を過ごした。幾度も幾度も戯れ合い気が付けば夜が明けていた。「んン...もう朝になるじゃねえか...。アンタ元気すぎ(笑)」「それだけヨルが魅力的すぎるんだよ?まだまだ足りないくらいに...」「ストップ。あんまりガッツクと飽きが来ちまうかも知んねえだろ?今夜まで我慢。な?」「それにアンタ仕事だろ?」そう言われてしまえば玲央も手が出せない。「仕方がない。今のところは我慢しよう。その代わり...また今夜僕のためだけに可愛く鳴いてくれるかい?」「フハッ。欲張り坊ちゃんだな。...いいぜ?お前のテクも気に入ったし...オレ達相性バツグンみたいだし?」「そう言ってもらえると嬉しいよ。...愛してるよ、ヨル。」玲央がそう言った瞬間、夜斗の顔が暗く曇り、下を向く。そんな夜斗を不審に思った玲央は「ヨル?」と声をかける。「...オレは愛だの恋だのする気はねぇよ。ただ、生きていく術が"コレ"だっただけ。この顔に産んでくれた親には感謝してるがそれだけ。オレは"野良猫"の前に"捨て猫"なんだよ。...誰も本気でオレを愛さない。それに、オレも誰も信じない。」「ヨル...」「だから、オレにそんな言葉をかけるな。求めるな。...いいな?」夜斗の闇を宿した瞳に見つめられ、玲央はゾクリとし、一筋の冷たい汗が背中をつたう。「いいんだぜ?オレの事は"都合のいい猫"とでも思ってくれれば。それならオレも気が楽だ。」言葉は軽々しいものなのに、玲央は自分の愛が伝わっていない事を悲しく思った。そして、それと同時に"愛を教えたい"そう思ったのだった。「ヨル。今はそれでいい。だけれど僕は本気だ。本気で君を愛したい。君が信じられないというなら信じられるまで何度でも、なんでもする。「フハッ。...アンタ結構重いな?」「...褒め言葉としてとっておこう。さあ、それより今は朝食をとる事にしよう。トーストと目玉焼きでいいかい?」「アンタが作るのか?」夜斗は驚きの声を上げる。こんな坊ちゃんが目玉焼きとは言え料理をするとは...。そう思ったのが顔に出ていたのか、玲央は「フフッ」と笑う。「こう見えて料理は得意だよ?誰かさんに食べてもらえるのなら、何でも作るよ?」やはりこの男の愛は大きく、重い。自分が押しつぶされてしまうかと思うほどに。
ー浴室での行為も悪くない。そんな感想を抱いた夜はその疲れをとるようにジャグジーに浸かる。「お前、手馴れてるな。男とヤった事あんの?」「いや?女性からは嫌という程お誘いはあるけれど、男性の相手はヨルが初めてだよ。」「...今サラッとモテ自慢したな?」「コノヤロー!」と夜斗は浴槽の中で玲央に戯れつく。玲央はそれを嬉しそうに受け止めると、夜斗に「コッチを向いて?」と言い深い口づけをした。浴室に響くは蜂蜜のように甘ったるい吐息に玲央は満足気だ。「あぁ...こんなにも幸せでいいんだろうか?」「なんだ?急に。もしかしてオレとヤって天国見れたかよ?」「ソッチは自信あるんだぜ?」そう言う夜斗は猫というよりまるで女豹のようだった。「アンタのテクも悪くなかった。いや?寧ろオレの方が天国見たかも。」そう言うと誘うように、絡みつくように怜央に抱きついた。夜斗は思った。コイツが何を企んでいてもいい。この男を手離すのはもったいない、と。「レオ。決めた。アンタを正式に飼い主だとみとめてやる。拾ったんだ。ちゃんと最後まで責任とって面倒みてくれよ?」夜斗の言葉に玲央は満面の笑みを浮かべた。「もちろんさ!ヨル。大事にするよ。君は僕の宝だ...!」「...宝って。野良猫相手に大袈裟だな。」口ではそう言いつつも満更でもない夜斗であった。「さぁ、そろそろ上がろうか。のぼせてしまうよ。」「それもそうだな。...な。ベッドで続き、しようぜ?」「ヨルが望むのなら、望むままに。」玲央はそう言うと夜斗の手を取りそっと口づけを落とす。その様子に夜斗はゾクリと欲が身体を駆け巡った。"あぁ、この男は自分のモノなのだ"、と。果たして溺れたのは玲央?ーそれとも...。
夜斗と玲央はフレンチを楽しんだ後、直ぐさまタワマンへとトンボ帰りをした。夜斗はリムジンの中で、酔い醒ましに買った水をゴクリと飲んだ。酒に酔って火照った身体に冷たい水はよく沁みる。「ハァ...食べたし飲んだなぁ...」「満足してくれたかい?」「飼い主初日としては合格!アンタ一体何者なんだ?それくらい教えてくれよ。こうして専属の運転手がいるくらいだし、さぞ良いとこの坊ちゃんなんだろ??」夜斗がそう言うと玲央は少し考え込むように黙った。なんて答えようか。そう考えているようである。「...何処にでもいる会社経営者の息子だよ。他のところよりは大きい会社だけどね。」「てことは次期社長?!オレとそんなに歳変わらなそうなのに。てかアンタ今いくつ?」「28才だよ。」夜斗は驚いた。まさか自分より2つ年下だったとは...。「オレは年下に猫扱いされてるのか...」「はは。君は年上に見えないから大丈夫だよ。」「...ディスってんのかよ?」「人聞きの悪いこと言うなぁ。ホラ、着いたよ。僕らの家に。」喋っているうちにタワマンへとたどり着いたようだ。そうだ。あのジャクジーを楽しむんだった。「なぁなぁ!ジャクジー!ジャクジー入りたい!」「...ホント、ヨルは猫のようにコロコロと気分を変えるね。見てて飽きないよ。」「早く早く!」と玲央を急かす夜斗に玲央はクスリと笑う。そして最上階の部屋に着くとそこら中にポイポイと服を脱いでいく。パンツ一丁になった所で浴槽にお湯をはる。待っている間あの無駄にでかいベッドに飛び込もう。そう考えていると夜斗は玲央に手を引かれ抱きしめられる。「お、おい...?どうした?」「ヨル...君はいつまでも変わらないでおくれ。」「?どういう事だ?...まさかあれくらいのワインで酔ったか?」「酔った...そうだね、僕は君という存在に酔っているかもしれないな。」そう言いながら玲央は夜斗の頬に手を添えて口付けを交わした。酒の味がするキスは何度もしてきたので慣れている。酒臭いはずなのに、自然と嫌な気はしない。あぁ、気持ちいいな。そう思いながら夜斗は玲央のスーツを脱がしていく。「...一緒に入るか?」「魅力的なお誘いだ。...断るはずが無いだろう?」そうして二人は浴室へときえていった。
夜斗は野良猫の様に警戒心を静かに持ちながら玲央の後に着いてタワマンの外へと出た。そしてここへ来た時に乗っていたリムジンに再び乗り込む。「さぁ、ヨル。約束通りフレンチを食べに行こうか。」「!フレンチ...!!」...警戒心は何処へやら。"フレンチ"の言葉に釣られて夜斗は涎を垂らした。そんな夜斗の様子に玲央は微笑ましいものを見る目を向けた。そしてリムジンを走らせると、いつもの酒場の前を通り過ぎ、高級フレンチ店へと辿り着く。店内に入ると玲央は店員に何やらカードを手渡していた。「?なんだ、そのカード。」「ここは完全会員制なんだよ。だから予約なしでも来れるんだ。」「...今までにも高級店に連れてって貰ったことは多かったけど、ここまでスゴい所は...初めてだ...。」夜斗はキラキラと目を輝かせながらこれから食べる料理に心を踊らせ席に着く。そして、アミューズ、オードブル、スープ、メインディッシュ...と次々と料理が運ばれてくる。それを慣れた手つきで口へと運ぶ夜斗に玲央は感心した。「驚いたな...。ここまで手慣れているなんて。作法がとても綺麗だ。」「パパや男どもの中には金持ちが多かったからな。こういう場所でのマナーは一通り身につけてある。」「...気に食わないな。」「え?何?」ボソリと呟く玲央に夜斗は聞き返すと、玲央は笑みを顔に貼り付け「何でもないよ」と答えた。「あぁ、そうだ。これを渡しておこうと思って。」そう言う玲央の手には黒いカードが。「?なんだ...ってコレ...ブラックカード...」「これで好きなだけ買い物していいよ。あ、勿論ネットでね?外に出る時は僕と一緒の時だけ。」「ヨルは僕の飼い猫なんだから、分かるよね?」とサラリと軟禁宣言をしたのである。オレはもう自由気ままな野良猫には戻る事は許されないのだろう。そう悟った夜斗なのだった。「...まぁいいぜ?アンタがオレを満足させてくれるような男であるのなら、な?」そう言うと夜斗はワインを口に含む。その様子に玲央は満足気にニコニコと笑うと、「君を満足させられる男になれるよう、努力しよう。野良出身の猫が逃げないようにするのが飼い主の役目だからね。」と言う。ワイングラス越しに夜斗を見つめながら。
夜斗が玲央に連れてこられたのは所詮"タワマン"と呼ばれる建物。そして通されたのはまさかの最上階。今まで様々な男達を渡り歩いて来たが、ここまでの金持ちは初めてだ。部屋の中へと入ると、白を基調とした家具で揃えられていて眩しい程だ。夜斗は興味津々で部屋中を見て回る。「ほら、ヨル。フレンチが食べたいなら早くシャワーを浴びて来ておいで。着替えは置いて置くから。」「お!そうだった。フレンチがオレを待っている〜♪」そう言うと夜斗は鼻歌混じりで浴室へと向かう。そこで見た光景に夜斗は言葉を失った。東京の夜景を一望できる程の素晴らしい景色だったからだ。「わぁお...。オレ、ホントに此処に住むのか?」そう呟くと夜斗はシャワーで汚れた身体を清め始めた。心の中で「フレンチから帰ってきたら、このジャクジーを楽しもう。」そうルンルン気分でシャワーを終えると玲央が用意した服に腕を通す。...これまた高そうなスーツだ。「レオ。着替えたぞ。」「...うん。やっぱりヨルにはネイビーのスーツが一番良く似合う。」"やっぱり"?この男の言葉には謎に思う部分が多々ある。まるで昔からの夜斗を知っているかのように。「ヨル?どうしたんだい?」夜斗が黙りこくって考えていると、玲央が声をかけてきた。「あぁ、悪いレオ。今までに無いくらいの豪華さで言葉が見つからなくてさ。」そう夜斗が言うと玲央は近寄ってきて夜斗の首にプレートネックレスを着ける。「...これは?」「ヨルは今日から"僕だけの猫チャン"だからね。お守りという名の首輪だよ。」そう言った玲央は笑顔ではあるが目が笑っていなかった。その目を見た夜斗の背筋にゾクリとしたものが走り、「ダメだ。この男は危険すぎる。」と頭の中で警告音が鳴った。「わ、悪いレオ。やっぱりオレ帰るわ。」「...帰る?何処に?ヨルの帰る場所は此処...僕の所だよ?」玲央はそう言うと夜斗をベッドに押し倒した。そしてプレートネックレスに口付けを落とすと、「ヨル。いくら猫でも最終的にはご主人様の元へ帰ってくるんだ...死ぬ前以外は、ね。」あぁ、神様...やはり野良猫には飼い猫になるのは気が重いです。
なんなんだ、この男。助けてくれたのには礼を言う。しかし、"飼い主"とは"猫チャン"とはなんだ?夜斗の頭にハテナが舞う。「その契約にアンタのメリットはあるのか?」「...その質問に答える事はまだ出来ない、かな?」「"まだ"、と言うことはいずれかは教えてくれるという事か?」「...」男はニコニコと胡散臭い笑みを顔に貼り付けたまま微動だにしない。「ふかふかな大きなベッド。」「?」「美味しいご飯に綺麗な服。なんと言っても広い家。」「!!」男の口から出る言葉はどれも魅力的なものばかり。食いつくなという方が難しいだろう。夜斗は思わず生唾をゴクリと飲み込む。「...アンタ、名前は?」「僕かい?僕の名前は京極 玲央。気軽に"レオ"とでも呼んでおくれ。」「分かった。オレの名前は...そうだな、"ヨル"とでも呼んでよ。」「!...ではヨル。僕の所へ来てくれるかい?」男は、"レオ"はそう言うと夜斗に手を差し出した。夜斗がその手を取ると玲央は子供のような笑みを浮かべていた。「...アンタ、そんな顔も出来るんな。」「...え?」夜斗は「何でもなーい」と言うと玲央の手を利用して立ち上がった。...そう言えば今日は何も食べていない。「ねー、ご主人様?ご飯が食べたいな♪」「この近くに美味しいフレンチのお店があるんだ。行くかい?」「わーい!フレンチ大好き♡」夜斗が子供のように接すると玲央はどこか懐かしそうな目を向けてきた。その目、夜斗は知っていると感じた。でもどこでだろう?それが分からない。「なぁ、さっき"見つけた"って言ってたな。アレどういう事だ?」「...さて?そんな事言っただろうか?」玲央は夜斗に対してすっとぼけた態度をとった。...この男。何か隠している。それもオレに関する事で。そう夜斗が考えていると、玲央は夜斗の腰に手を添えて、まるで紳士が淑女にするかのようなエスコートをしてきた。「お、おい、何するんだ?」「まずはその汚れを綺麗にしてからじゃないとね?一度僕達の家に帰ろう。ここからすぐ近くだ。」「フレンチはそれから。」そう言って向かった先にあったのは黒いリムジン。夜斗は思った。とんでもないヤツに捕まった、と。







