支配されて、快楽だけが残った身体に、もう一度、愛を教えてくれた人がいた~女社長に壊された心と身体が、愛されることを思い出

支配されて、快楽だけが残った身体に、もう一度、愛を教えてくれた人がいた~女社長に壊された心と身体が、愛されることを思い出

last updateTerakhir Diperbarui : 2025-09-28
Oleh:  中岡 始Tamat
Bahasa: Japanese
goodnovel18goodnovel
Belum ada penilaian
139Bab
8.9KDibaca
Baca
Tambahkan

Share:  

Lapor
Ringkasan
Katalog
Pindai kode untuk membaca di Aplikasi

支配されて、快楽だけが残った身体に、もう一度、愛を教えてくれた人がいた。 ――女社長に壊された心と身体が、愛されることを思い出すまで。 藤並蓮は、家族を守るために自分を売った。 支配され、壊され、快楽だけを刷り込まれた身体。 それでも、心の奥には「愛されたい」という願いが残っていた。 湯浅律は、その手を離さなかった。 守るだけではなく、共に並ぶことを選んだ人。 ただ抱かれる夜ではなく、「生きていい」と思える夜を、藤並に与える。 支配か、自由か。 快楽か、愛か。 壊れたまま終わるか、もう一度、立ち上がるか。 これは、傷ついた心と身体が、 「好きだ」と言っていい未来を選ぶまでの物語。

Lihat lebih banyak

Bab 1

雨粒と名札

小雨が降っていた。

四月の終わりとは思えないほど肌寒い日で、ホテルのロビーには湿った空気が籠もっていた。藤並は、冷えた指先で資料を抱えながら、経営者向け講演会の控室へと足を運んでいた。

黒いスーツの上着は肩のラインがきちんと整えられ、ネクタイも完璧に締められている。だが、胸元につけた名札の裏で、藤並の心は静かに擦り切れていた。

「藤並 蓮」と書かれた名札は、白地に黒文字のシンプルなものだった。名札の文字を何度も指先でなぞりながら、彼は思っていた。

自分は、名前で呼ばれることなんてほとんどない。ただ「顔がいい」と言われるだけだ。面接でも、企業説明会でも、いつも決まって同じことを言われる。

「君は華があるね」

「営業に向いているよ、顔で得するだろう」

何度その言葉を聞いただろうか。最初は受け流していたが、だんだんと胸の奥に澱のように溜まっていった。

「顔だけで選ばれるなら、いっそ商品になればいいのに」と、ふと心のどこかで思うことがある。

資料を抱えた腕に、かすかな汗が滲んだ。冷たいのか、熱いのか、自分でもよくわからない。会場のドアの前で立ち止まり、深呼吸を一つ。口角を上げる。それが、藤並の「就活用の顔」だった。

ガラス越しに見える外の景色は、ぼんやりと滲んでいた。小雨が窓を伝い、しずくがゆっくりと滑り落ちていく。その動きを眺めながら、藤並は思考を止めた。考えれば考えるほど、足が動かなくなるからだ。

「…失礼します」

低い声で控室のドアを開ける。中には、講演会を終えた経営者たちが談笑していた。スーツの色は濃いネイビーやブラック。時計は高級ブランドのものばかりだ。湿った空気の中で、あの人たちだけが別の時間を生きているように見えた。

「こちら、次の資料になります」

藤並は丁寧に資料を配る。目線は胸の高さ。相手の目は見ない。見れば、何を考えているかすぐにわかってしまうからだ。

「君、学生さん?綺麗な顔してるね」

やっぱり、そう言われた。にこりと笑って「ありがとうございます」と返す。これも就職活動の一環だ。ボランティアスタッフとして働くことも、業界の空気を知るためだと自分に言い聞かせていた。

けれど、心のどこかが冷えていくのを感じた。

何をしても、俺は商品にしか見られない。

顔を褒められるたびに、内側が削られていく。

資料を配り終え、最後の一冊を抱えて立ち止まる。鏡に映った自分の姿が視界の端に入る。整った顔立ち、細い首筋、柔らかそうな唇。それが「営業向き」と言われる理由だとわかっていた。

「俺は…」

心の中で呟く。けれど、その先は出てこなかった。

名札の重みが、やけに胸に食い込む。名札の裏には、自分の指の跡が残っている。小さな名札一つに、自分という存在が押し込められている気がして、ふと吐き気がした。

「お茶をお持ちします」

そう言って、藤並は控室の奥へと足を踏み入れた。会場の空気は柔らかい香水とコーヒーの香りが混じっている。けれど、その匂いは彼にとってはただの異物だった。

ガラス越しに、また雨粒が落ちるのが見えた。滑り落ちる雫は、誰にも気づかれないまま消えていく。

俺も、そうやって消えてしまえばいいのに。

けれど、身体は動く。口角を上げる。営業スマイルを作る。まるでプログラムされた機械のように、藤並は笑った。

「お茶をどうぞ」

無表情の笑顔。それが、藤並のいつもの顔だった。

Tampilkan Lebih Banyak
Bab Selanjutnya
Unduh

Bab terbaru

Bab Lainnya
Tidak ada komentar
Jelajahi dan baca novel bagus secara gratis
Akses gratis ke berbagai novel bagus di aplikasi GoodNovel. Unduh buku yang kamu suka dan baca di mana saja & kapan saja.
Baca buku gratis di Aplikasi
Pindai kode untuk membaca di Aplikasi
DMCA.com Protection Status