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第18話:もう終わったこと

作者: Sunny
last update 公開日: 2026-07-02 19:11:20
翌日の夜。

仕事を終えてマンションへ戻ると。

エレベーターの前に、翔太が立っていた。

片手にコンビニの袋を持ち。

スマホを見ている。

私に気づくと。

画面を消し、少しだけ身体をこちらへ向けた。

「おかえりなさい」

「ただいま」

隣に並ぶ。

昨夜。

正人をマンションまで見送ったあとのことが、少しだけ頭をよぎった。

翔太は。

正人が昔から優しいと知っていた。

五年前。

二人が会う機会はほとんどなかったけれど。

会社の同期として、正人の存在くらいは知っていたのだと思う。

それでも。

翔太は昨夜のことには触れなかった。

私も、わざわざ話すことではないと思った。

エレベーターが到着する。

二人で乗り込む。

「今日は昨日より早いんですね」

翔太が言う。

「昨日が遅すぎたの」

「正人さんに送ってもらうくらい?」

「たまたま一緒に食事してたから」

答えてから。

説明する必要はなかった気もした。

けれど。

翔太は深く追及しなかった。

「そうですか」

それだけ言い。

階数ボタンを押す。

以前なら。

正人とはどこへ行ったのか。

どうして送ってもらったのか。

もっと分かりやすく気にしたかもしれない。

今は。

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