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第1064話

Author: 風羽
「そうじゃないの?」

九条美緒は目を見開いた。

彼女の瞳の奥には、悲しみと恐怖が浮かんでいた。

悲しみは、ついに終わりを迎えたから。そして、恐怖は、九条津帆なしで生きていけるのかという不安からだった。それでも、きっと一人で生きていける、九条美緒はそう思っていた。

学校にはちゃんと通えなかったけど、絵を描いてお金を稼ぐことはできる。それに、英語とフランス語だって話せるんだから......

九条津帆がいなくても、きっと自分の力で生きて行けるはず、と九条美緒はそう思っていた。

九条美緒は顔を上げ、6年間愛した男を見つめ、もう一度言った。「津帆、別れよう」

九条津帆は彼女を見下ろしていた――

その時、ドアをノックする音がした。外から水谷苑の声が聞こえる。「津帆、開けて。お母さんよ」

薄暗い部屋の中で、九条津帆と九条美緒は目を見合わせた。

二人は驚愕した。

ここは九条美緒の寝室なのに、水谷苑は九条津帆の名前を呼んだのだ。九条美緒は震える唇で呟いた。「お母さんは、知ってるの......」

今となっては、喧嘩も、傷つけ合ったことも、どうでもよかった。

残ったのは、見つかった
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