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第1268話

Author: 桜夏
透子が口を開いた。「新井さん」

蓮司はボリュームを上げて叫んだ。「ああ、聞いてるぞ!透子、やっと俺と話してくれたな!」

その甘ったるい声を聞いて、透子は胃が裏返るような吐き気を覚えた。

大輔は、その馴れ馴れしい呼び方は理恵の真似ではないかと疑った。

以前の蓮司の振る舞いは一旦置いておくとして、今の蓮司はどう見ても、恋に溺れて理性を失い、透子の一言で尻尾を振って舌を出す犬そのものではないか。

チッ、このギャップの激しさたるや。あの社長がこうなるとは。

いや、透子と離婚し、高校時代の初恋の人を間違えていたと気づいてからは、もう透子から離れないストーカーのような存在になっていたか。

大輔は心の中で首を振り、溜息をついた。今は会社の存亡に関わる危機的状況であり、危険度はさらに増しているというのに。

当の蓮司は、透子と電話ができるという興奮に浸りきり、我を忘れている。

蓮司はまだ延々と真実の愛を語り続けている。「透子、俺が悪かった。週末にいきなり会いに行ったりして。でも、どうしても透子に会いたかったんだ」

彼はまた恋敵を中傷した。「あ柚木はろくな奴じゃない。もう会うのはやめろ。あいつは陰険で狡猾だ、透子じゃ太刀打ちできない。

でも、本当にあいつと付き合ってるのか?違うよな、食事に行ったのも仕事の話があったからだろ、分かってるよ」

蓮司はそうやって自問自答し、自分を慰めている。

電話の向こうで。

透子はただ名前を呼んだだけなのに、その後の言葉はすべて遮られてしまった。口を挟む隙間もなかったからだ。

蓮司は以前とはまるで別人のようで、口にスピーカーでも取り付けたかのように喋り続けている。

蓮司は完全に自分の世界に浸り、自問自答し、自分が聞きたいことだけを喋っていた。

ついに透子は指を固く握りしめ、忍耐の限界に達した。額には青筋が浮かんでいる。

本来は警告するつもりだったが、こうなれば直接対決だ。透子も声を張り上げた。

「新井!資材のすり替えが建設事故に繋がるって分かってるの?

もしプロジェクトが完成した後に崩落して、死傷者が出たら、あなたに責任が取れるの?

良心が痛まないの?私に何をするかは勝手だけど、公共の安全を脅かすようなことはしないで!」

蓮司は熱烈な愛を語り、顔を紅潮させていたが、その瞬間に遮られ、言葉を失った。

蓮司はようや
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Comments (2)
goodnovel comment avatar
おる
この件は本当に悪手だったよねぇ… 蓮司まじバカ まあ透子のことになるとIQ下がるらしいからw
goodnovel comment avatar
     芳香
何故、透子が悠斗の味方してると思ったんですか? 透子は、悠斗と親しい訳でも、付き合っている訳でもないですよね? それと気にする所が違くないですか? 公共の安全より投稿理由が気になるんですか?
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