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第155話

作者: 桜夏
「新井蓮司が離婚したんだって!新井家の顔を立てるために、この私が離婚歴のあるあんな男と結婚すると思う?

前にも言ったけど、あんな男の妻になるなんて、八代先まで祟りそうよ。

結婚中に浮気して愛人まで作るなんて……最低な男!考えただけで鳥肌が立つわ!あんな男、絶対お断りだわ!」

元妻である透子は思った。確かに、自分はかなり運が悪かったのだ。

「あなたが彼と結婚しないなら、安心したわ」

透子は言った。

「当たり前でしょ!私、彼の前の奥さんみたいにバカじゃないんだから」

理恵はふんっと鼻を鳴らした。

透子は言葉を詰まらせた。

「でもさ、あの男、結婚する時も離婚する時も、一切公表しなかったのよ。まるで人に知られないように、ひっそりと……なのに、愛人とのスキャンダルだけは周知の事実なんだから」

理恵はため息混じりに言った。

「彼の前の奥さん、本当に可哀想。きっと政略結婚で、実家が没落したから捨てられたんでしょうね……」

理恵の声を聞きながら、透子は机の上の離婚届に目を落とし、新井蓮司の署名部分で視線を止めた。

まるで人に知られないように、ひっそりと――確かにその通りだった
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