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第1565話

Auteur: 桜夏
しかし、狂喜乱舞している蓮司の目に、そんな冷ややかな視線が入るはずもなかった。ずかずかと大股で病室へ踏み込んでくる。

だが執事は、新井のお爺さんの目配せを見逃さなかった。

蓮司が透子まであと三歩というところまで迫ったその瞬間――執事は音もなく体を滑り込ませ、蓮司の正面に立ちはだかった。

蓮司は慌てて踏みとどまったが、あやうく執事と衝突しかけた。

「高橋さん、何すんだよ」

彼は怪訝な顔で問いかけながら、返事も待たずに横から透子の方へ回り込もうとする。

左へ動けば、執事の右手がすっと伸びてくる。右へ寄れば、今度は左手が鉄壁のように塞ぐ。

――わざとだ。完全にわざと通せんぼしている。

蓮司はようやく事態を理解した。

「高橋さん!」苛立ちで声が跳ね上がった。

「失礼いたしました、若旦那様。栞お嬢様は旦那様の大切なお客様でございます。どうかお客様とは節度ある距離をお保ちください」執事は眉ひとつ動かさず、ひどく事務的に告げた。

蓮司は信じられないものを見るように目を見開いたが、おとなしく引き下がるはずがない。強引に突破しようと身を乗り出す。

その手が執事の肩にかかり、力ずく
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