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第231話

Author: 桜夏
美月の名前を聞いて、蓮司は一瞬固まり、それから唇を引き結んで反論した。

「いや、俺は彼女とは何の関係もない」

そのあまりにきっぱりとした言葉に、美月の目から涙が溢れ、嗚咽が漏れた。

「はは、誰が信じるか。彼女とのスキャンダルでネットを騒がせたのは、どこのどいつだ?」

聡は嘲るように言った。

蓮司は拳を握りしめ、歯を食いしばりながら、かろうじて弁解した。

「あれは全部誤解だ!」

「誤解だろうが何だろうが知ったことか。一億円、さっさと振り込め」

聡は言った。

「ふざけるな!誰がやったことか、そいつに払わせろ。俺をカモにすんな!」

蓮司は罵った。

「俺は朝比奈美月とはもう何の関係もない。これをもって、完全に縁を切る!」

彼のその言葉は、きっぱりとしていて、声の調子には少しの温かみもなかった。

携帯はスピーカーモードになっていたため、美月にはその言葉がはっきりと聞こえ、たちまち泣き崩れた。

「蓮司……蓮司……」

女の嗚咽を聞いても、蓮司の顔には何の動揺も見られず、まるで赤の他人のようだった。

かつてあれほど心を痛めた相手に、今はこれほど無情になれるものか。

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