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第24話

Author: 桜夏
「じゃあ、どうしよう……証明書類とか全部バッグの中にあるし、他のホテルにも行けない……」

美月は困り果てたように声を漏らした。

「うちに来いよ」蓮司が静かに言った。

一瞬、美月の動きが止まり、俯きながら遠慮がちに言う。

「でも、それって良くないよね……私のせいでまた、透子とケンカになったら……」

「あいつに口出しする資格なんかない。あの家は俺のものだ。誰を泊めようが俺の勝手だ」

蓮司の低く冷たい声に、美月は顔の涙がまだ乾ききらないまま、戸惑いつつも断りきれず、彼に連れられてそのまま家へ戻ることになった。

エレベーターを上がり、部屋の階に着くと、美月は蓮司の背を追いながら、首元のファンデーションを指でごしごしとこすり落とした――露わになったのは、赤く残ったキスマークだった。

玄関が開き、当然すぐに透子の姿が見えると思いきや、室内はひっそりとしていて誰の気配もない。

リビングに入って周囲を見渡した美月が、そっと声を落とした。

「透子、寝てるのかな……あんまり音立てないようにしよう?」

「いないよ。静かにする必要はない」

蓮司はコートを脱ぎなが
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