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第309話

Auteur: 桜夏
「本当は、彼、あなたと食事したかったんだと思う」

理恵がひとしきり罵り終えたのを見計らって、透子が口を開いた。

「でも勘違いしないでね。ただの友達として、久しぶりに会って話したかっただけだと思う」

「誰が友達よ。あいつはお兄ちゃんの友達でしょ」

理恵は唇を尖らせて言った。

旧友の集まりだなんて、とんでもない。そもそも、自分と彼が会う理由なんてないのだ。

この六年間、一度も連絡してこなかったことからも明らかだ。

それなのに、兄が帰国した途端、やけに執拗に会いたがるようになった。

つまり、そういうことだ。

翼は口先だけで、わざとやっているのだ。

自分を利用しているだけで、本心から会いたいわけじゃない。

「断ったわ」

透子は言った。

「相手にする必要ないわよ。お礼の食事なんて、来たけりゃ来ればいいし、来ないなら食費が浮くじゃない」

理恵は鼻を鳴らした。

「こっちが何度も誘ってるのに、あいつはそれも分からず、挙句の果てに私をダシにしてあなたを断るなんて。クソ男め」

透子はその言葉に軽く笑い、理恵の口調が先週の土曜日とは全く違うのを聞いていた。

どうやら彼女はも
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