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第497話

Auteur: 桜夏
予期せぬ横槍で、雅人が記録文書に疑いを抱いたのではないか。院長の年齢に関する説明を、彼が果たして信じるかどうか分からなかった。

美月はひどく焦っていたが、自分から連絡するわけにはいかない。がっついているように見えてしまい、これまでのキャラクターが崩れてしまうからだ。

彼女はスマホの画面を食い入るように見つめ、頭の中で何度も状況を整理し、論理を組み立て直した。

院長の話では、そのアシスタントは特に疑う様子もなく、すぐに帰ったという。

たとえ雅人が信じずに調べたとしても、他に何が分かるというのか。

その後の彼女に関する情報は、すべて「本人」のものである。

彼女が入れ替えたのは、あくまで当時の児童養護施設での登録記録だけだ。その一枚しかなく、他に裏付ける証拠などない。

だから、雅人が他の証拠を掴むはずはない。

美月は拳を握りしめ、緊張しながら思考を巡らせるうちに、どうにか少し気持ちを落ち着かせた。

そのとき、スマホの画面が不意に光り、彼女はびくりと体を震わせた。

電話がかかってきた。表示された名前は、橘雅人だった。

彼女はスマホを手に取って応答した。動揺のあまり手は微か
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