Share

第678話

Author: 桜夏
蓮司は顔も上げずに言った。「先に帰れ。俺はもう少し残る」

大輔はそれを見て先に帰るしかなく、その後、執事にこの件を伝えた。

ボディーガードがまだフロアで待機しているのを、大輔は目にしたが、もはや監視の必要もないだろうと感じた。

今の蓮司は、彼に大火が燃え広がった後の、一面の生気のない焼け野原のような印象を与えた。一体何があったのか、見当もつかない。

まさか、お爺さんと意地を張っているのか?彼を飛び越えて雅人と提携したから?

だが、彼は病院にさえ行こうとしない。数日前なら、透子から一歩も離れたくないとばかりに振る舞っていたのに。

プライベートホスピタル、病室の中。

執事は大輔から聞いた状況を新井のお爺さんに伝えたが、後者はそれを聞いても何の表情も見せなかった。

新井のお爺さんは言った。「それは良いことではないか。透子を煩わせに行くこともなく、死を望むこともなく、逆に仕事に没頭して効率まで上げている」

執事は心配そうに言った。「わたくしが心配なのは、このままでは若旦那様がいずれ持ちこたえられず、問題が起きるのではないかということです……」

「そんなことはない」新井のお爺
Continue to read this book for free
Scan code to download App
Locked Chapter

Latest chapter

  • 離婚まであと30日、なのに彼が情緒バグってきた   第1579話

    【理恵はお兄さんのために刺されてるんだから、気にかけてあげるのは当然でしょ?】雅人の返信は、いつものように簡潔だった。【わかった】そう返してから、彼は画面を消し、透子の助言をそのまま実行に移すことにした。彼はほとんど一言一句違わない形で、透子が挙げてくれた質問を順番に口にしていく。理恵も、それに一つずつきちんと答えた。けれど、その受け答えはどこまでも真面目で、どこまでも堅い。二人の間に漂う空気は、さっきまでの妙な静けさから一転して、一問一答の応酬へと変わった。話しているうちに、雅人は内心で首をかしげる。さっきより気まずくなっていないか、と。透子の言う「気にかけてると伝える」だとか、そういう気遣いの効果は、いまのところまるで感じられない。どちらかといえば、教室で教師が生徒を指名して質問している時の空気に近かった。雅人がそんなふうに感じている一方で、向かいの理恵は、表面こそ平静を装っていながら、心の中では疑問とツッコミが渦巻いていた。──今日の雅人、なんでこんなに喋るの?乗っ取られた?それとも何か変なものが憑いてる??おかしい。おかしすぎる。あの口を滑らせた事件の前だったら、彼から話しかけてもらえるだけで、きっと舞い上がっていただろう。けれど今は、言葉を交わしたいなんて気持ちは一ミリも湧いてこない。というより、生きてるけど半分死んでる気分だった。ここはただ静かに、美しく座っていたいだけなのに。一言も発さず、お互いただの相席の客だと思って、空気を演じきって……それから――早く料理が来て、早く食べ終えて、さっさと解散して、それぞれ自分の家に帰りたい。理恵のそんな願いが、あまりにもはっきり目に出ていたのだろう。表情は平静なのに、目だけがすっかり生気を失っていた。雅人は何度か話しかけたところで、彼女がまったく会話を望んでいないことを悟り、とうとう自分から口を閉じた。ちょうどそのタイミングで、スタッフが料理を運んでくる。二人の間に漂っていた奇妙な静寂は、その気配によっていったん断ち切られた。それでも、食事が始まってからも会話は戻らない。時折、ナイフとフォークが皿に触れて鳴る、かすかな金属音だけが個室の中に響く。まるで本当に、たまたま相席になっただけの見知らぬ客同士のようで、それぞれが自分

  • 離婚まであと30日、なのに彼が情緒バグってきた   第1578話

    透子はすぐに素直な謝罪のメッセージを打ち込み、土下座して許しを乞う猫のスタンプをそっと添えて送信した。同じ頃。雅人は透子から届いたメッセージを眺めていた。その後に表示された、地面にぺたりと座り込んで泣きながら謝っている子猫のスタンプをじっと見つめ、わずかに唇を引き結ぶ。本当のところ、別に怒っているわけではない。問い詰めたいわけでもなかった。ただ、透子が両方に違うことを言って、結果的に理恵をこんな形で自分と二人きりの席に座らせたことに、「それは違うだろう」と少しだけ引っかかっていた。理恵は、どう見ても自分と一緒に食事をしたくてここに来たわけじゃない。しかし礼儀のせいで席を立つこともできず、無理をしてここに座っているように見えた。【大丈夫だよ。僕は構わない。ただ、理恵さんにはこんな形で伝えるべきじゃなかったと思う。あの様子だと、僕と一緒に食事するのは少し抵抗があるみたいだ】透子は届いたメッセージを見て、ぴたりと手を止めた。すぐには返さず、先に理恵とのトーク画面を開く。そこには、さっきから続いているスタンプとメッセージの連投が、今も途切れることなく積み上がっていた。透子はその隙間に質問のメッセージを滑り込ませる。理恵はそれを見るなり、即座に返信してきた。【嫌いなわけじゃない。ただただ気まずいの。ものすごく気まずいの!!】【この前の「結婚して恩返しする」発言、ばっちり聞かれてたのよ!?その相手と今こうして、二人きりで向かい合って座ってるの!!】【もう火星への移住を申請するわ。さようなら、もう私のことは忘れて】透子は親友からのメッセージを読み終えると、兄のトーク画面へ戻った。【理恵はお兄さんを嫌ってるわけじゃないの。ただちょっと気まずいだけ。だって、お兄さんに気持ちを断られてるんだから、いきなり二人きりにされてもどう接していいかわからないのよ】雅人は透子からのメッセージをじっと見つめ、しばらく視線をそこに留めた。──ようやく腑に落ちた。店に入ってからずっと、彼女がガチガチに緊張し、一度も顔を上げようとしなかった理由が。嫌われているのではなく、どう向き合えばいいのかわからず戸惑っている。ただそれだけのことだったのか。雅人は視線を上げ、向かいでまだスマホをいじっている理恵を見やった。額がテーブルにつき

  • 離婚まであと30日、なのに彼が情緒バグってきた   第1577話

    「妹が君のお兄さんと一緒なら、僕たちはここで食べようか」雅人がそう淡々と告げると、理恵はこくりと頷き、目の前のメニューをそっと手に取った。理恵の胸の内では、まだ大波が荒れ狂っている。落ち着き払った雅人とは、まるで正反対だった。メニューの文字を目で追ってはいるものの、一文字たりとも頭に入ってこない。黒い記号の列が視界をただ滑っていき、意識のすべては正面に座る男に持っていかれていた。──彼が平然としているのは当たり前だ。恥ずかしい思いをしているのは自分だけ、「命の恩人には結婚して恩返しする」なんて、黒歴史ものの台詞を口走ったのも自分であって、彼ではないのだから。考えれば考えるほど、理恵はいたたまれなくなっていく。今すぐ席を立って逃げ出したい!さっき雅人に話しかけられた時、どうしてあんな素直に頷いちゃったのよ、自分のバカ……おかげでほら、本当に二人きりで食事するハメになってるじゃない…………いっそ、トイレに行くふりをして、そのまま逃げてしまおうか。お腹が痛いことにするとか、親から急に呼び出されたことにするとか、何かそれっぽい理由をでっち上げて。どうか今すぐ誰かから電話がかかってきてくれないだろうか。この場から逃げ出す口実がほしい──そんなふうに心の中でひたすら祈り続けていた、その時だった。「どうした。まだ決まらないのか?」不意に雅人の声が落ちてきて、理恵はびくりと肩を震わせた。現実に引き戻された理恵は、慌ててメニューを握り直し、内容もろくに見ないまま、目についた料理に片っ端から印をつけていく。「……これでいい……」顔を上げて雅人を見ると、理恵は表情をこわばらせたまま、無理やり笑みを作ってそう告げた。それから卓上の呼び出しボタンを押す。スタッフが部屋に入ってきて、二人は注文を伝えた。料理が運ばれてくるまでの間、部屋は妙な静けさに包まれた。理恵はまた視線を落とし、どう振る舞えばいいのか分からないまま、ただテーブルの木目をじっと見つめ続ける。こっそりスマホを取り出して、透子に文句メッセージをまとめて送りつけてやろう──そう思っていた、まさにその時だった。「怪我はもう平気なのか?今日は妹とどこへ行ってきたんだ?」「ほとんど治ったわ。今日はまず一緒に病院に行って、新井のお爺様のお見舞いをして……そのあと

  • 離婚まであと30日、なのに彼が情緒バグってきた   第1576話

    その時になって、理恵はようやく完全に状況を飲み込んだ。そして小さくうつむき、覚悟を決めるように口を開く。「……部屋はこのままでいいわ。変えなくて大丈夫」いくら鈍感でも、ここまで来ればさすがに分かる。親友が自分のために仕掛けた「罠」が、どれほどとんでもないものだったのかを。──まず、「三人で食事」なんて話自体が、そもそも存在しなかったのだ。今ごろ透子は、兄と一緒にデートしている。わざわざこっちのテーブルに合流するわけがない。それから、透子が言っていた「ランチ仲間兼、お見合い相手」の条件。異性で、ものすごく格好よくて、まさに好みど真ん中。透子と面識があり、仕事の繋がりもあり、家柄も釣り合っている──これ、どう考えても雅人本人じゃない。五分後。静まり返った個室の中で、理恵はやけにかしこまった姿勢で座っていた。全身に力が入りきり、膝の上に揃えた両手の指先まで強張っているのが自分でも分かる。指をぎゅっと握りしめ、視線を落とす。頭の芯がじんじんするのを感じながら、それでもなんとか平静を装って口を開いた。「……もし言ったとして、信じてもらえないかもしれないけど。ここに来るまで、相手があなたって、本当に知らなかったの」向かいの席。雅人は椅子に深く腰掛け、黙ってこちらを見つめていた。部屋に入った時から一度も顔を上げようとしない、その様子を。今の理恵は、まるで先生に叱られて教室の隅に立たされている生徒のようだ。肩をすぼめて、びくびくと様子をうかがっている。張り詰めた沈黙が、部屋いっぱいに広がる。自分の心拍音だけが、やけに大きく耳に響いていた。返事がないまま一拍、二拍と過ぎていく。やっぱり信じてもらえていないのだと思い込み、理恵は慌てて言葉を継いだ。「本当に知らなかったのよ。透子は、ただ『ご飯に付き合ってくれる人を見つけた』ってしか言ってなくて……」──さすがに「お見合い」や「相手の条件」なんて単語は、恐ろしくて口に出せない。そもそも、自分にも落ち度はあった。透子は一度も「お見合い」とは言っていない。ただ「飛び抜けて格好いい人」「絶対に好みのタイプ」と聞いただけで、こちらが勝手に「紹介してくれる異性」だと決めつけてしまったのだ。まさかのまさか、それが雅人だなんて、誰が想像できただろうか。──悔しい。こんなにも見事

  • 離婚まであと30日、なのに彼が情緒バグってきた   第1575話

    ちょうどその時、物音に気づいた雅人がふと体の向きを変え、二人の視線がまともにぶつかった。あの端正で、どこか冷ややかな顔──見間違いなんかじゃない。理恵はそう確信した瞬間、ひゅっと息を呑んだ。あまりの衝撃に、このまま昇天するんじゃないかと本気で思った。呆然と固まっていられたのは、せいぜい二秒ほど。それでも持ち前の反射神経が、それ以上のフリーズを許さなかった。頭より先に体が動き、理恵はくるりと踵を返して口を開く。「すみません、部屋を間違えました」言い終わるのと同時に、理恵の姿はもうその場から消えていた。ほとんど駆け出すような勢いで通路に飛び出し、一秒の狂いもなく背後のドアを閉め切る。スタッフはまだ外で待機していた。転がり出てきた理恵に気づくと、すぐに丁寧な声をかけてくる。「お客様、何かお困りでしょうか」「ええ。お部屋、間違っているみたい。ここじゃないと思う」理恵はあくまで冷静に答えた。その表情には、感情のかけらも浮かんでいない。別に怒っているわけでも、目の前のスタッフを責めたいわけでもなかった。ただ一刻も早く、この場から立ち去りたい。それだけだった。──だって、あまりにも気まずすぎる。食事に来て部屋を間違えただけなら、まだ笑い話で済むかもしれない。けれど、よりによってその部屋に雅人がいるなんて、笑い話で片付けられる範囲をとっくに超えている。しかも、理恵の頭をよぎるのはそれだけではなかった。以前告白して雅人にあっさり断られた時の恥ずかしさ。そして数日前、透子との電話で「命の恩人には結婚して恩返しする」なんて黒歴史級の台詞を口走ったところを、よりによって当の本人に聞かれてしまったこと──その二つの痛ましい記憶が、今そろって胸に押し寄せてきているのだ。理恵は今すぐこの地球から消滅して、どこか別の星でひっそり暮らしたくなった。何より最悪なのは、あの恩返しの台詞を口にしたのが「雅人に振られた後」だという点だ。どう見ても未練たらたらで、往生際の悪い女にしか見えない。柚木家の令嬢としてのプライドも体面も、もう全部吹き飛んでいた。理恵は拳をぎゅっと握り締め、歯を食いしばる。羞恥のせいで、顔が内側から燃えるように熱い。いよいよこの場から逃げ出そうとした、ちょうどその時だった。「お客様、ご予約のお部屋はこちらで間違いございません」

  • 離婚まであと30日、なのに彼が情緒バグってきた   第1574話

    理恵がさらに追い立てた。「早く行きなさいよ。顔見てるだけでうっとうしいわ」聡は頭をかしげた。「お前は乗らないのか?」「あいにく、私には先約があるの」理恵は得意げににっこりと笑った。「誰とだ?」聡が反射的に、過保護な兄の顔になって問い詰める。「お見合いよ」「母さんの紹介は片っ端から断ってたじゃないか。今度はどこの誰だ?」「私の勝手でしょ。いちいちおばちゃんみたいに口出ししないで」聡は絶句した。何か言い返そうとしたが、理恵はすでに兄の背中をぐいぐい押して運転席まで追いやっていた。自らドアを開け、兄を座席に押し込む。「はい、さっさと出発。私の大事な親友をちゃんとエスコートして、おいしいもの食べさせて、思いっきり楽しませてあげてよね」理恵はぱんぱんと手を払いながら念を押した。聡は振り返った。「お見合いだと言うなら、相手はなぜ迎えに来ない?まだ着いてないなら、俺と透子で待つぞ」妹がようやくその気になって会おうとしている男だ。少しは気になる。普段の理恵なら、並の男など歯牙にもかけないのだから。「お店で待ち合わせてるの。もういいから早く行って、私も出るから」聡は眉をひそめた。「迎えにすら来ないのか?礼儀としてどうなんだ」理恵は深く息を吸い込んだ。この兄の口うるさい世話焼き癖には本当にうんざりだ。にっこり笑って言い放つ。「当の本人が気にしてないのに、なんでお兄ちゃんが気にするのよ。これ以上ぐずぐずするなら、透子を引っ張り出して私のお見合いに連れていくわよ」聡は黙ってシートベルトを締めた。「……わかった。先に行くよ」理恵は頷き、透子に手を振って見送った。……車内。聡は運転しながら、助手席の透子にさりげなく話を振った。妹への心配と、会話の糸口を兼ねて。「理恵の今日の相手、何か聞いてるか?どこの家の人だ?」透子はわずかに唇を引き結んでから答えた。「詳しくは聞いてないわ。きっと、会った後に本人から話してくれるんじゃないかしら」「なら、あまり期待はできないな」聡が即座に判断を下した。透子は内心ぎくりとした。――え?全然見込みがないということ?透子が控えめに言った。「……万が一、もしかしたら、うまくいくかもしれないわよ?」聡は冷静に分析した。「まあ、理恵が会いに行く気になっ

  • 離婚まであと30日、なのに彼が情緒バグってきた   第191話

    透子は唇を引き結んだ。一昨日、蓮司が弁護団を雇ったと言っていたが、まさか本当だったとは。しかも、これほど動きが早いなんて。大輔をブロックリストから解除し、電話をかけると、相手はすぐに出た。「教えてくれてありがとう。この二、三日で弁護士を探して対応するわ」「とんでもないです。社長は万全の準備を整えていらっしゃいます。必ず勝訴する、さもなければ弁護士たちをこの業界で生きていけなくするとまで豪語されているようです」大輔は答えた。その言葉に、透子の表情はさらに冷たくなった。大輔は、自分が情報を漏らしたことは内密にしてほしいと言い、透子はもちろんそれを理解した。「安心して、あ

  • 離婚まであと30日、なのに彼が情緒バグってきた   第104話

    新井の爺さんであるはずがない。今朝、すべてをきちんと話し合ったんだから。もし他の経路から情報が漏れたのなら、弁護士を入れる必要も出てくるな。向こうの蓮司は答えなかった。透子は彼がくだらないことを言っているのを聞き、我慢できずに言った。「言わないのね。じゃあ、切るわよ」蓮司はその言葉に歯ぎしりし、こう言うしかなかった。「警察に通報して、お前が失踪したと届け出た。これで満足か?」透子は思った。……本当に、イカれてる。もう離婚したのに。美月のために場所を空けてあげたのに、どうして蓮司はいつまでもしつこく付きまとうの?「あなたとはもう終わったの。これが最後の電話よ。いく

  • 離婚まであと30日、なのに彼が情緒バグってきた   第125話

    路肩に停めた車内。蓮司はオフィスビルの入口を見つめ、左手でハンドルを握りしめ、歯ぎしりしながら尋ねた。「通報したのは誰だ?」「相手の方はお名前を明かされませんでしたので、分かりません」警備員が答えた。蓮司はその言葉を聞き、深呼吸をひとつして、また尋ねた。「男か、女か?」「女性です」警備員が答えた。「若いのか、年配か?」蓮司は再び尋ねた。警備員は答えた。「若い方です」蓮司は途端に目を見開き、心の中で思った。やはり透子だ!いつ彼に気づいた?いつの間に彼の目の前をすり抜けてビルに入ったんだ?通り過ぎる人間は一人も見逃さなかったはずなのに!「

  • 離婚まであと30日、なのに彼が情緒バグってきた   第117話

    「わざわざ私を迎えに来てくれたんでしょう」「いや、ただの通りすがりだよ」駿は言った。透子は唇を引き結び、信じていない様子だった。「本当だよ。昨夜君を送ってから、うちと同じ方向だって気づいてね。それで、たまたま今朝も通りかかったんだ」駿は真に迫った様子で言った。透子が横を向くと、男は今日、黒のスーツに身を包み、香水までつけていた。明らかに、念入りに身なりを整えた様子だった。「先輩、いくつか、はっきりお話ししたいことがあります」透子は切り出した。「もし僕が聞きたくないことなら、言わないでほしい」駿は答えた。透子は彼を見つめ、小さくため息をつくと、やはり口

More Chapters
Explore and read good novels for free
Free access to a vast number of good novels on GoodNovel app. Download the books you like and read anywhere & anytime.
Read books for free on the app
SCAN CODE TO READ ON APP
DMCA.com Protection Status