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第1103話

Author: 小春日和
なんなの、これ……?

真奈は封筒を指先で探ると、中に小さな鍵が入っていることに気づいた。

それを取り出し、もう一度紙に書かれた住所を見た瞬間、

息をのんだ。

――これって……家?

真奈がお城を出た時には、すでに立花の姿はどこにもなかった。門の前には一台の車だけが静かに停まっていた。

黒澤がその車から降りてきた。黒いシャツ一枚のままで、上着を羽織る時間もなかったらしい。真奈の姿を見つけると、そのまま彼女を強く抱きしめた。

黒澤の体から漂う酒の匂いで、今日どれだけ飲んだのかすぐにわかった。「もう、やめて。みんな見てるわよ」

「見られたって構わないさ」黒澤は低い声で囁いた。「どうせ、俺みたいにいい奥さんをもらったやつなんていないんだから」

「もう、ほんとにやめて……」

運転手の視線が二人に向けられているのを感じ、真奈は思わず黒澤を押しのけた。だが次の瞬間、黒澤は彼女の腰に腕を回し、そのままひょいと抱き上げた。

「遼介!酔っ払って暴れてるの?」

「酔ってない」

黒澤は隠そうともしない笑みを浮かべ、「ただ、愛しい妻を大事にしてるだけだよ」と言った。

そう言って、彼は真
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