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第917話

Auteur: 小春日和
夕暮れ時、真奈はすでにドレスに着替え、二階からゆっくりと降りてきた。福本陽子と白井はまだ戻っていなかったが、立花はすでにリビングでしばらく待っていた。彼は腕時計に目をやり、二階の真奈に視線を移した。「どうしてこんなに遅いんだ」

立花の苛立ちを含んだ声を聞き、真奈は口を開いた。「女が念入りに支度するのは時間がかかるものよ。もし立花社長がお急ぎなら、先に行っていいわ。私は後から行くから」

白いマーメイドドレス姿で降りてくる真奈を見て、立花は冷ややかに鼻で笑った。「俺が先に行って、お前が逃げ出すのを待つってことか?瀬川、俺を馬鹿だと思ってるのか?」

「あら、立花社長に気づかれちゃった」

真奈はわざと驚いたふりをした。だが次の瞬間、立花が不意に彼女の腕を掴んで引き寄せた。その動作があまりに急で、真奈は二度三度よろめき、危うく倒れそうになった。

「小細工は通じない。お前に逃げる隙は一切与えない」

そう言って、立花は用意していた手錠を真奈の手首にはめた。

手首の手錠を見下ろし、真奈は思わず苦笑した。「本当に用意してたの?」

「さあな?」

「じゃあ前に私が手錠をかけてほしいって言ったとき、嫌だったんじゃなくて持ってなかっただけなのね」

「さっき忠司に用意させたんだ。俺の鍵がなければ、消防にでも助けてもらうしかないな」

「あなたって……」

立花は服についたはずのない埃を払う仕草をし、馬場に向かって言った。「行くぞ」

「はい、ボス」

立花と馬場が先に歩き出し、真奈は手首の手錠を見つめ、再び苦笑交じりに怒りを覚えた。

立花は一体どれほど幼稚なのか。

立花家の別邸の外。

黒澤は車の中から立花の車が走り去るのを見ていた。耳にかけたイヤホンから部下の声が響く。「黒澤様、奥様は車に乗って立花と一緒に行きました」

「余計なことを言うな。まだ目は見えてる」黒澤は言った。「俺が追う。お前たちは残れ」

「はい、黒澤様」

黒澤はアクセルを一気に踏み込んだ。

その頃、福本陽子と白井も立花家の外へ戻ってきた。

リビングにいた桜井は二人の姿を見ると、わざと駆け寄り、福本陽子と正面からぶつかった。

「あっ!」

福本陽子は驚いて思わず手を振り上げ、平手打ちを浴びせながら怒鳴った。「何してるの、そそっかしい!これは私の新しいスカートなの!」

「申し訳ありません!申し
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